7月10日、皇族数の確保に向けた皇室典範改正案が衆議院本会議で可決された。
採決に先立つ議院運営委員会での答弁が、SNS上で大きな話題を呼んでいる。
宮内庁が明かした「36親等」
共産党の塩川鉄也議員が「旧宮家と今の天皇陛下とは何親等の隔たりがあるのか」と質問した。
これに対し、宮内庁の緒方禎己次長は「1947年に皇籍離脱された皇族男子の方々は、今上陛下とは36親等から38親等の隔たりがあるものと承知している」と答弁した。
塩川氏はこの答弁を受け、「600年前の室町時代までさかのぼる遠い血筋の人を皇族にすることに、国民の理解と支持は得られない」と、養子案を批判している。
「親等」とはそもそも何か
親等とは、親族関係の近さを数値で表す単位のことだ。
民法上の親族の範囲は、6親等以内の血族と配偶者、3親等以内の姻族までとされている。36親等から38親等という数字は、この一般的な親族の範囲を大きく超えるものだ。
「皇族と一般国民を単純に並べて論じることはできない」と前置きしつつも、この数字だけを見れば「他人」という印象を抱く人が多いのも無理はない、という受け止め方が広がっている。
著名人の反応
実業家のひろゆき氏はXで「36親等は他人だね」としたうえで、「1代遡ると親族は2人、10代遡ると1,024人、20代遡ると約100万人、30代遡ると約10億人」と、世代を遡るごとに親族の数が指数関数的に増えることを説明した。
歌人の俵万智さんも、報道を引用しながら「遠い親戚…親戚と言えなくはない親戚…赤の他人と言ったらちょっと言いすぎかもしれない親戚」と、独特の言い回しでコメントしている。
天皇陛下のお言葉との関係
天皇陛下は6月のオランダ・ベルギー公式訪問前の記者会見で、皇族数確保の議論について「国民の皆さんの理解が得られるものとなることを望んでおります」と述べられていた。
36親等から38親等離れた人物が皇族となることに、どれだけの国民が理解を示せるのか、という問いが改めて突きつけられた形だ。
今後の参院審議
この「親等」を巡るやり取りは、養子案の是非を考えるうえで分かりやすい材料として、今後の議論でも繰り返し引用されそうだ。
参議院での審議が、この点にどう向き合っていくのかが注目される。
数字が示す説得力
「36親等」という具体的な数字は、抽象的な議論に説得力を持たせる材料になった。
言葉だけでは伝わりにくい「遠さ」が、数字によって一気に実感を伴うものになったことが、今回これほど話題になった理由の一つといえるだろう。
養子案の是非を判断するうえで、こうした具体的な情報がどこまで国民に共有されているかも、今後の議論の質を左右しそうだ。
普段は目にすることのない宮内庁の内部データが国会答弁を通じて明らかになったこと自体、今回の一連の議論が持つ意義の一つといえるかもしれない。
今後も同様の質疑を通じて、これまで表に出てこなかった情報が明らかになる場面が増えれば、国民の理解の深まり方も変わってくるかもしれない。感情的な反応だけでなく、事実に基づいた冷静な議論につながることが期待される。数字の一人歩きを避け、制度全体の背景まで含めて理解を深めていく姿勢が、今後ますます重要になりそうだ。今回の答弁がきっかけとなり、皇室制度の歴史そのものへの関心が広がる可能性もありそうだ。国会でのやり取りが思わぬ形でSNS上の話題を呼ぶ現象は、今後も政治のあり方を考える材料になっていくだろう。


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