全東信破産の影響 決済代行の仕組みとは

全東信破産の影響 決済代行の仕組みとは 経済

クレジットカードの早期決済代行サービスを手がける全東信(大阪市)が破産したことを受け、政府は資金繰りへの影響が出ている飲食店などの小規模事業者や中小企業の支援に乗り出した。赤沢亮正経済産業相は10日の閣議後会見で「少しでも不安がないようにするため万全を期していく」と述べた。

全東信とはどんな会社か

全東信は、クレジットカードの売上金を通常より早いタイミングで加盟店に立て替え払いする「早期決済代行」を専門に手がけてきた会社だ。

中小の飲食店や小規模事業者にとって、カード会社からの実際の入金までにはタイムラグがあるため、資金繰りを安定させる目的でこうした早期決済代行サービスを利用するケースが少なくない。

同社は今月6日から破産手続きを開始して事業を停止しており、負債総額は帝国データバンクの調べで約1259億円にのぼるとされ、今年最大級の倒産事案となった。

なぜ飲食店の資金繰りに影響するのか

早期決済代行を利用していた事業者にとっては、本来受け取るはずだったカード売上金の立て替え払いが止まってしまうことが、直接的な打撃になる。

日々の仕入れや人件費の支払いに充てる運転資金を、こうした立て替え払いに依存していた小規模店舗ほど、影響が大きくなりやすい構造だ。

取引先が連鎖的に資金繰りに行き詰まる「連鎖倒産」のリスクも指摘されており、政府が異例の早さで支援策を打ち出した背景には、こうした波及への警戒感があるとみられる。

政府・金融機関の支援策

政府は日本政策金融公庫や商工中金など国内378カ所に10日から特別相談窓口を設けたほか、セーフティーネット貸し付けの要件を緩和する方針を示した。連鎖倒産を防ぐため、信用保証協会による支援が使えるようにするための手続きにも着手するという。

個別の金融機関でも独自の対応が始まっており、京都信用金庫は運転資金に用途を限定した融資制度を新設し、上限を1億円に設定して受け付けを始めている。

なぜ今年最大級の倒産になったのか

負債総額約1259億円という規模の大きさは、決済代行という業態の特性を反映している。加盟店に立て替え払いをする以上、手元に多額の資金を保有・運用する必要があり、ひとたび資金繰りが行き詰まると、負債の膨らみ方も一般の事業会社に比べて大きくなりやすい。

多数の中小事業者と直接取引していたことも、今回の破産が社会的な注目を集める一因になっている。取引先の数が多いほど、影響を受ける事業者の裾野も広がるためだ。

業界への波及と今後の対応

今回のような早期決済代行サービスに依存していた事業者が、今後どのような形で資金調達手段を切り替えていくのかに関心が集まっている。また、同様のサービスを提供する他の決済代行会社の経営状況にも、業界内外から視線が向けられそうだ。

小規模事業者にとって身近な資金繰り手段だっただけに、今回の破産が業界全体の信用や商慣行にどのような影響を及ぼすのかも、今後注視すべきポイントといえる。

政府が異例の速さで相談窓口を設けた対応からも、決済代行という仕組みが中小事業者の資金繰りにいかに深く組み込まれているかがうかがえ、同種のサービスに対する監督体制の見直しを求める声が出てくる可能性もありそうだ。

今後、業界団体や金融庁がこうした決済代行事業者に対する規制のあり方を検討するかどうかも、注目される展開の一つになりそうだ。小規模事業者にとっては、資金繰りを一社のサービスに依存しすぎるリスクを、今回の破産劇からどう学び取るかも問われている。

元記事はこちら: 全東信破産、政府が飲食店の資金繰り支援へ(Yahoo!ニュース)

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