全東信破産、21金融機関で465億円焦げ付きも

全東信破産、21金融機関で465億円焦げ付きも 経済

クレジットカード決済代行会社「全東信」の破産手続き開始決定を受け、地域金融機関への影響の全容が明らかになりつつある。

13日時点で少なくとも21の地域金融機関で、計465億円超の融資が回収不能となる恐れがあることが分かった。

集計で見えてきた被害規模

破産申立書の債権者一覧に記載があった地方銀行や信用金庫、信用組合など63の金融機関のうち、13日までに公表された回収不能見込み額を集計した結果だという。

未公表の金融機関もあり、実際の被害はさらに膨らむ可能性がある。全東信は5月時点で借入金1130億円、社債21億円を抱え、負債総額は1151億6491万円にのぼっていた。

影響が大きい金融機関

回収不能見込み額が特に大きかったのは、近畿産業信用組合(大阪市、124億円)、東和銀行(前橋市、58億円)、大阪厚生信用金庫(大阪市、44億円)、東京スター銀行(東京、40億円)などだ。

一方、山口フィナンシャルグループ傘下の山口銀行(山口県下関市)は債権額が74億円にのぼったものの、「担保などで全額保全されており、与信関係費用の発生は見込んでいない」としている。金融機関によって、実際の損失リスクには差が出ている状況だ。

金融機関の会計処理の仕組み

金融機関は、融資先の企業が破綻した際、破綻企業の預金で貸出金を回収したり、回収できなくなる場合に備えて事前に準備した引当金で補填したりする。

それでも回収できない場合には、決算に損失として計上し、利益を押し下げることになる。今回のように広範囲に影響が及ぶケースでは、複数の地域金融機関の決算に同時に影響が出ることになりそうだ。

地域経済への波及

地域金融機関にとって、多額の融資が一度に焦げ付くことは経営体力を大きく揺るがしかねない出来事だ。

特に体力の小さい信用金庫や信用組合にとっては、今回のような大口の損失が今後の融資姿勢に影響を及ぼす可能性もある。地域の中小企業への資金供給が滞ることのないよう、各金融機関の対応が注視される。

今後の焦点

未公表の金融機関がどこまで被害額を明らかにするか、また全体像がいつまでに判明するのかが今後の焦点になる。

破産管財人による資産の精査が進む中、実際にどこまでの債権が回収可能なのか、今後の手続きの進展を見守る必要がある。

今回の破産は、決済代行という業態が地域金融機関の融資先として広く利用されてきたことを改めて浮き彫りにした。今後、金融機関側が同様のリスクをどう審査に反映させていくのか、融資審査のあり方そのものが問われる契機になりそうだ。

地域経済を支える中小の金融機関だけに、今回の損失が地域の融資姿勢全体を萎縮させることのないよう、慎重な対応が求められている。

63もの金融機関が名を連ねていたという事実は、全東信が地域金融の現場でいかに広く取引されてきたかを物語っている。今回のような大型破産が、決済代行業界全体の信用にどう影響するのかも、あわせて注視する必要がありそうだ。

今年最大級とされる今回の倒産劇は、金融機関の与信管理のあり方や、決済代行という業態特有のリスクについて、業界内外で改めて議論を呼ぶきっかけになりそうだ。今後の実態解明の進展にも注目したい。

被害を受けた中小事業者への支援策とあわせて、金融機関側の損失がどこまで拡大するのか、続報が待たれるところだ。地域金融機関の決算発表を通じて、実際の影響の大きさが徐々に明らかになっていくとみられる。信用組合や信用金庫にとっては経営の根幹を揺るがしかねない規模だけに、業界団体としての支援策も検討される可能性がある。

元記事はこちら: 全東信破産、21金融機関で465億円超(Yahoo!ニュース)

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