三菱地所レジデンスは6月、仙台市で億ション「ザ・パークハウス グラン 仙台広瀬町」の販売を開始した。
総戸数47戸の全戸が1億円を超え、販売価格の中心帯は2億円だという。
「仙台の億ション」の中身
物件は駅前のタワーマンションではなく、広瀬川沿いの低層マンションだ。
間取りは2LDKまたは3LDKで、専有面積は90〜182平方メートルと、平均的なファミリー向け物件の約1.3〜2.5倍の広さがある。現在、仙台市の新築マンション3LDKはおおむね5000万〜7000万円台が相場とされ、全戸が億ションのこの物件は異例の存在だ。エントリー数は400件を超え、経営者や医療関係者からの申し込みが多いという。
各地に広がる「ローカル億ション」
こうした「ローカル億ション」は、仙台のような地方中核都市を中心に近年各地で誕生している。
東京駅まで特急で70分以上かかる水戸市でも、地上20階建て・184戸の「デュオヒルズ水戸三の丸タワー」でプレミアム住戸6戸が1億2000万〜2億円台で完売した。岡山市の「プラウドタワー岡山」でも34戸の1億円以上の住戸が全戸売れ、最高価格は3億6998万円だったという。
人口減少地域にも建つ億ション
人口約30万人の北海道旭川市でも、初のタワーマンション「プレミスト旭川ザ・タワー」が建設された。
2022年12月に販売を開始し、2025年2月に完成した時点で約8割が成約済みだったという。最上階の部屋は2億5000万円で販売された実績もある。人口が減少している地域であっても、一定の需要が存在することがうかがえる。
なぜ地方でも売れるのか
背景には、地方在住の経営者や医療関係者、高所得の専門職層による根強い需要があるとみられる。
東京や大阪といった大都市圏の不動産価格が高騰し続ける中、地方であっても質の高い住環境を求める層が、こうした高級物件に資金を投じているとみられる。バブル期以上の勢いという表現が使われるほど、需要の強さがうかがえる状況だ。
今後の展開
今後も他の地方都市で同様の高級マンション開発が続くのか、市場の動向が注目される。
地方経済の活性化につながる可能性がある一方、地元の一般的な住宅価格との乖離が広がることへの懸念も、あわせて考えていく必要がありそうだ。
デベロッパー各社にとっては、地方の富裕層需要を的確に捉えられれば、大都市圏に比べて用地取得コストを抑えつつ高い利益率を狙える市場でもある。今後、こうした「ローカル億ション」の開発がさらに加速するのか、それとも一部の限られた都市にとどまるのか、市場の見極めが求められる局面だ。
地域住民にとっては、街の風景や不動産価格の水準そのものが変化していく可能性もあり、暮らしへの影響を注視する必要がありそうだ。
高額物件の登場は、その地域全体の資産価値やブランドイメージを底上げする効果も期待される一方、既存住民の税負担や生活コストにどう波及していくのかは未知数な部分も多い。今後、地方都市の不動産市場がどのように二極化していくのか、注視すべきテーマの一つになりそうだ。
低金利環境や建設資材の高騰も、高価格帯の物件開発を後押しする要因の一つとされる。デベロッパーにとっては、限られた優良立地に付加価値の高い物件を集中させる戦略が、当面は主流になっていくとみられる。全国各地でこうした高級物件が次々と完売している状況は、富裕層の資産運用先としての不動産需要の根強さを物語っている。地方経済にとっても、こうした物件が新たな税収源や雇用創出につながる可能性があり、今後の展開が注目される。
元記事はこちら: なぜ地方で「ローカル億ション」が増えているのか(Yahoo!ニュース)


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