外免切替の厳格化から9カ月 外国人受講者が急増

外免切替の厳格化から9カ月 外国人受講者が急増 社会

海外の運転免許を日本の免許に切り替える「外免切替」制度が2025年10月に厳格化されてから9カ月が経過し、各地の教習所には「受からない」という外国人からの問い合わせが相次いでいる。

厳格化の経緯

厳格化のきっかけの一つとなったのは、2024年10月の報道だった。当時、交通ルールを確認する「知識確認」は○×問題10問中7問以上の正解で合格となっており、勉強せずに合格できたという声もあった。

また、日本での住民登録がなくても観光ビザでの取得が可能だったため、ホテルの住所で免許を取得するケースも明らかになっていた。

警察庁によると、2024年に外免切替をした人の数は7万5000人以上にのぼり、10年間で2.5倍に増加していた。一方で、外免切替で免許を取得した外国人による事故も相次いだ。

2025年5月には埼玉県三郷市で中国人によるひき逃げ事件で小学生が負傷したほか、三重県ではペルー人が高速道路を逆走する事案も起きていた。

厳格化の内容と影響

こうした状況を受け、警察庁は2025年10月に制度を厳格化した。知識確認は「イラスト付きの10問」から「イラストなしの50問」に変更され、正解率の基準も7割から9割に引き上げられた。技能確認でも踏切の通過や坂道発進が新たに追加され、採点も厳しくなったという。

警察庁によると、厳格化後の合格率は、知識確認が92.5%から42.8%に、技能確認が30.4%から13.1%へと大幅に低下した。千葉県内の教習所では外国人受講者が増加傾向にあり、香川県の教習所でも受講者が80人程度から120人程度に増えるなど、各地の教習所で対応に追われている。

挑戦を続ける受講者の姿

千葉県の教習所に通う中国出身の女性は、2024年に来日し、日本人の男性と結婚して千葉県内で暮らしている。最寄り駅までバスで20分ほどかかり、そのバスも1時間に1〜2本しかないため、買い物などの外出には夫の運転が欠かせないという。

1人でいるときはあまり出かけず、家庭菜園が唯一の趣味だと話すこの女性は、日本の交差点で右側通行の感覚が抜けずに右車線へ入ってしまうなど、練習を重ねながら試験に臨んでいる。技能確認に落ちれば知識確認からやり直しになるため、何度も挑戦を続けているという。

この女性は「後で自分が運転するときに安心。厳しいことは良い」と厳格化そのものには理解を示しており、不合格が続いても「また猛練習する」と前向きな姿勢を見せているという。

夫も「真面目に努力してきたので、なんとか合格してほしい」と支えており、生活のために免許取得を目指す外国人と、それを見守る家族の姿がうかがえる。

制度と生活者、双方への配慮

日本で生活基盤を持つ外国人にとって、運転免許の有無は暮らしやすさに直結する問題でもある。安全確保のための制度強化と、生活のために免許を必要とする人々への配慮をどう両立させるかが、今後も議論されそうだ。

各地の教習所では、英語の字幕付き教材を用意するなど、外国人受講者の理解を助ける工夫も進んでいる。

厳格化によって合格のハードルは上がったものの、制度の趣旨そのものには理解を示す受講者も多く、安全な運転の実現と、生活基盤を持つ外国人の利便性確保という2つの目的をどう両立させていくかが、今後の制度運用の課題として残りそうだ。

カンさんのように、日本での生活を続けるために粘り強く試験に挑戦し続ける外国人の存在は、制度の是非を考えるうえでも重要な視点を与えてくれる。今後、合格率の推移や事故件数の変化がどう報告されていくのか、継続的な検証も求められそうだ。

元記事はこちら: 「外免切替」厳格化から9カ月(Yahoo!ニュース)

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