兵庫県では2025年、暴走族に関する110番通報件数が直近10年で最多を記録した。
一方で、県警が把握している暴走族の人数自体は減少傾向にあるという、一見矛盾する状況が起きている。
急増する苦情通報
大阪府池田市では国道での取り締まりが行われ、改造車両など3件が検挙された。
池田警察署の担当者は「先月から3〜4倍以上の件数で苦情が入っています」と説明する。兵庫県警によれば、暴走族に関する通報は2001年の1万4870件をピークに減少を続けていたが、2024年から再び増加に転じ、2025年は5417件と直近10年で最多となった。
神戸の観光地でも被害の声
特に被害の声が多く聞かれるのが、神戸市の海浜公園「メリケンパーク」周辺だという。
昼間は多くの観光客が訪れるこの公園も、夜になると様相が一変する。近隣住民からは「特に金曜の夜、バンバン行き来してますよ」「窓を開けたいんですけど、開けられないんですよ」といった声が上がっている。
「令和の暴走族」とはどんな存在か
従来の暴走族は、族長をトップに派手な刺しゅうを施した特攻服を着て集団走行するスタイルが主流だった。
しかし現在増えているとされる「令和の暴走族」は、SNSでつながり、明確なリーダーが存在しないケースが多いとされる。参加のハードルが低く、実態が見えにくいのが特徴だ。「映えるやろ」といった動機でSNS上での「万バズ」を狙う投稿目的の側面もあるとみられている。
暴走族の歴史的な変遷
暴走族の起源は1950年ごろにさかのぼるとされる。
大きな音を鳴らす「カミナリ族」やスピードを競う「マッハ族」が「はしり」とされ、その後、特攻服を着て集団走行するスタイルが主流になっていった。1980年ごろには法改正による対策強化が進み、警察が目の前で解散宣言させるなど、両者の攻防が激化した歴史がある。
今後の対策の行方
SNSでゆるくつながる形態は、従来の組織的な暴走族対策では捕捉しにくいという課題を抱えている。
警察が今後どのような形でこうした新しいタイプの迷惑行為に対応していくのか、取り締まりの実効性が問われることになりそうだ。
SNSでの投稿を目的とした行為である以上、動画や写真の拡散自体が新たな参加者を呼び込む悪循環を生んでいる側面もある。プラットフォーム側の対応や、投稿を助長しない社会的な機運づくりも、今後の課題として浮かび上がってきそうだ。
近隣住民の生活を脅かす騒音被害が続く限り、行楽シーズンを迎えるたびに同様の問題が繰り返される可能性もあり、継続的な対策が求められている。
組織的な暴走族が減少する一方で、匿名性の高いつながりによる迷惑行為が増えているという構図は、暴走族に限らず現代のさまざまな社会問題に共通する傾向とも言えそうだ。取り締まる側の発想の転換も求められている。
観光地としての魅力とにぎわいを保ちながら、深夜の騒音問題にどう対処していくかは、神戸市に限らず多くの観光都市が直面するジレンマでもある。地域の実情に合わせた条例づくりや見回り強化など、多角的な対策が必要になりそうだ。今後、他の観光地でも同様の問題が表面化するのか、全国的な広がりにも注意が必要だ。夏本番を迎え、夜間の交通取り締まりがどこまで強化されるのかにも注目したい。SNSでの拡散を防ぐための呼びかけと、実際の交通取り締まりの両輪でどこまで抑止効果が出るのか、今後の推移を見守りたい。地域住民の平穏な暮らしを守るための取り組みが、実際にどこまで実を結ぶのか注目される。
元記事はこちら: “令和の暴走族”の狙いは「万バズ」(Yahoo!ニュース)


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