青春18きっぷ、なぜ利用者離れ? 条件変更の中身

青春18きっぷ、なぜ利用者離れ? 条件変更の中身 社会

「青春18きっぷ」の販売枚数が急減している。2024年度の約42万枚から2025年度は約24万枚へと大きく落ち込んだことが、今年度の幹事社を務めるJR九州への取材で判明した。

経済ジャーナリストの櫛田泉さんは「JRグループがニーズだと認識しているものと、実際の利用者のニーズとの間に大きな乖離があったことの表れだ」と指摘している。

コロナ禍を下回る水準に急減

青春18きっぷは、春・夏・冬のJRグループの定番商品として、ディープな鉄道ファンから安く移動したい旅行好きまで、幅広く愛されてきた。

2015年度からコロナ前の2018年度までは70万枚程度の販売枚数を維持しており、コロナ禍に突入した2020年度には25万枚まで大きく数を減らした。事態が落ち着いた2023年度には62万枚まで持ち直したものの、2024年度には42万枚、2025年度はコロナ禍の2020年度よりもさらに少ない24万枚まで落ち込んでいる。

愛されていた理由

条件変更前の青春18きっぷは、春・夏・冬の休暇シーズン中、期間内の任意の5日間、全国のJRの普通列車が乗り放題という内容だった。

販売価格は1万2050円で、1日当たりの金額は2410円と元を取りやすい設定だった。さらに複数人での利用も認めていたのが大きな特徴で、2人で2日分を利用して残りを1人で使用するなど、自由度の高さが人気を支えていた。例えば東京―大阪間を東海道新幹線「のぞみ」で移動すると1万4720円かかるところ、青春18きっぷなら9時間程度はかかるものの2410円相当での移動が可能だった。

2024年冬季からの条件変更

利用者離れを引き起こした最大の要因と考えられているのが、2024年冬季分の販売から適用された利用条件の大幅な変更だ。

複数人での分割利用が制限されるなど、これまでの自由度の高さが失われる形の見直しが行われたことで、従来のファン層の一部が離れていったとみられている。今年度、夏季期間の販売は7月3日から始まっており、3日間用が1万円(利用期間は7月18日から9月8日まで)、5日間用が1万2050円という価格設定になっている。

JRが見誤った利用者ニーズ

今回の急減は、JR側が想定していた「不正利用の防止」といった狙いと、実際の利用者が青春18きっぷに求めていた自由度との間に大きなズレがあったことを浮き彫りにした形だ。

鉄道ファンや旅行好きの間で長年親しまれてきた商品だけに、今回の販売枚数の落ち込みは、JRグループにとって軽視できない数字と言えそうだ。

今後の商品設計への影響

今回の結果を受け、JRグループが今後さらに条件を見直すのか、それとも現行の形を維持するのかが注目される。

鉄道旅行の裾野を広げてきた商品だけに、利用者の声がどこまで反映されるのか、次のシーズン以降の動向に関心が集まっている。

SNSでも広がる利用者の声

条件変更以降、SNS上では「使いにくくなった」「昔の自由度が良かった」といった声が度々話題になってきた。

一方で、不正な分割販売や転売対策としての側面もあったとみられ、JR側の事情と利用者の実感との間にあるギャップが、今回の販売枚数急減という形で数字に表れたと言えそうだ。

地方の鉄道利用にも影響

青春18きっぷは、地方のローカル線を巡る旅の需要を支えてきた側面もある。

利用者離れが進めば、こうした地方路線の利用促進という副次的な効果も薄れかねない。JRグループにとって、単なる商品の売れ行き以上の意味を持つ課題と言えそうだ。

元記事はこちら: 「青春18きっぷ離れ」が止まらない(Yahoo!ニュース)

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