「ブラックリスト」は本当に存在する?延滞の実態

「ブラックリスト」は本当に存在する?延滞の実態 社会

「カードの返済を滞納すると“ブラックリスト”に載る」。ネットの相談サイトなどで、まことしやかにささやかれる噂がある。

金融機関にそんな秘密の名簿が、本当に存在しているのだろうか。

借金150万円を抱えた男性の実情

都内で予備校講師として働く38歳の男性は、「クレジットカードを作れない」という秘密を抱えている。

返済が遅れ始めたのは5年ほど前。趣味の麻雀やネットゲームへの課金のため小口の借入を始めたのがきっかけで、現在の借入額はプロミスとPayPay銀行カードローンを合わせて計150万円ほどにのぼるという。長期の滞納で、回収作業はすでに債権回収会社や弁護士に引き継がれている。

そもそも「ブラックリスト」とは何か

債務整理に詳しい榊枝真一弁護士によると、「いわゆる『ブラックリスト』という名称の公式な名簿はありません」という。

クレジットカードやローンなどで長期延滞が発生した場合、信用情報機関には「異動」という名称で情報が記載される。この状態が、一般に「ブラックリストに載る」と表現されているものだという。

信用情報機関が語る実態

信用情報の収集・管理を行う指定信用情報機関CICの担当者は、「ブラックリスト」という言葉について「人種や犯罪歴など、特定の属性を持った人々を排除する“裏リスト”といったイメージを持たれているように感じます」と説明する。

しかし実際に記録されるのは、氏名や生年月日といった属性情報と、契約内容・支払回数・入金額・残債額などの客観的な取引事実のみだという。61日以上または3カ月以上の支払い遅延があった場合に「異動」というコメントと発生日が記録される仕組みで、人種や犯罪歴といったデータは一切保有していないとされる。

「異動」が生活に与える影響

「異動」扱いになると、住宅ローンや自動車ローンなどの審査で不利になる可能性があるという。

最近は社内経費の取得にクレジットカードの取得を求められる場面もあり、信用情報の影響が日常生活や仕事上の不便につながりかねないと弁護士は指摘する。

制度の目的と今後の課題

信用情報を管理する狙いは、消費者の支払能力に応じた適正なクレジット契約を実現し、契約手続きを迅速化することにあるとされる。

俗称としての「ブラックリスト」という言葉が持つ不安げなイメージと、実際の仕組みとの間にはギャップがある。正しい知識を持つことが、借金問題と向き合う第一歩になりそうだ。

田中さんのように、趣味や娯楽への支出が積み重なって借金が膨らんでいくケースは、決して珍しい話ではない。少額の借入を繰り返すうちに総額が把握しづらくなり、気づいたときには返済が困難な水準に達しているという構図は、多くの多重債務者に共通するパターンだとされる。

信用情報の「異動」記録は、一定期間が経過すれば削除される仕組みになっている。過度に恐れる必要はないものの、延滞を放置すれば生活や仕事に実際の不利益が及ぶことも事実であり、早めに専門家へ相談することが解決への近道になりそうだ。

ゲームやオンラインサービスへの課金は、実際の現金を使う感覚が薄れやすく、気づかないうちに支出がかさんでしまうという指摘も多い。特にスマートフォン一つで手軽に決済できる時代だからこそ、自分の支出を客観的に把握する習慣が重要になっている。田中さんのように誰にも相談できず一人で抱え込んでしまうケースは少なくなく、早期に第三者へ相談できる環境づくりも社会全体の課題と言えそうだ。正しい知識を広めることが、こうした孤立を防ぐ第一歩になるだろう。

元記事はこちら: ゲーム課金で借金150万円を抱えた38歳男性のリアル(Yahoo!ニュース)

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