米大統領の3選はなぜ禁止?トランプ氏が出馬に否定的

米大統領の3選はなぜ禁止?トランプ氏が出馬に否定的 国際

トランプ氏「法律は厳格だ」、3期目に否定的な見解

アメリカのトランプ大統領は8月11日、記者団から2028年の大統領選への3期目出馬を真剣に検討しているか問われ、「出馬したいが、法律はとても厳格だ」と述べ、否定的な見解を示した。「みんな私の出馬を期待しているが、法律は厳格だ」とも強調している。

ただし、トランプ氏はこれまでも3期目に意欲を示すような発言を繰り返してきており、第二次政権の任期満了後の動向には今後も注目が集まりそうだ。

なぜ3選が禁止されているのか、根拠は憲法修正第22条

アメリカ憲法は、2期8年を超える大統領の選出を禁じている。この規定は1951年に発効した憲法修正第22条によって明文化されたものだ。初代ワシントン大統領が2期で退任して以来、どの大統領も3選を求めないという政治的慣行が長く続いていたが、これを憲法上のルールとして確立させた形になる。

きっかけはフランクリン・ルーズベルトの4選

この修正条項が成立する直接のきっかけとなったのが、フランクリン・ルーズベルト大統領の存在だ。1933年に就任したルーズベルトは、第二次世界大戦という特殊な事情もあり、異例の4選を果たした唯一の大統領となった。この前例を受け、大統領の任期に明確な上限を設ける必要性が広く認識されるようになった。

制限の理由、独裁化への懸念

3選以上を許せば、大統領が事実上「常任」の存在になりかねないとの懸念が、この制限の背景にあるとされる。特定の人物が長期にわたり権力の座にとどまることは、独裁政治や民主主義の形骸化を招きかねないという考え方が、規定の根底にある。

就任当初から歴代最低水準だった支持率

トランプ氏の第二次政権は、2025年1月20日の就任当初から厳しい世論の視線にさらされてきた。就任100日前後の支持率は、CNNの調査で41%、ワシントン・ポスト紙の調査で39%にとどまり、これは第一次政権を含めた歴代大統領の就任100日前後の支持率としては最も低い水準だったとされる。

政策別に見ても、看板政策である関税政策への支持率は低く、ある調査では61%が支持しないと回答するなど、経済政策への不満が政権全体の評価を押し下げている面もあるとみられる。

移民政策をめぐる評価の変化

移民の強制送還を強力に推し進めてきたトランプ政権だが、就任100日間で6万5000人以上の外国人を強制送還したと発表する一方、移民政策への支持率は3月の53%から4月には45%へと低下したとの調査結果もある。厳格な取り締まりへの支持と、その手法への懸念が入り混じった複雑な世論の動きがうかがえる。

今後もくすぶる3期目待望論

トランプ氏自身は今回、法律の厳格さを認める発言をしたものの、支持者の間では3期目を望む声が根強いとも報じられている。憲法上の明確な制約がある以上、実現には憲法改正など極めてハードルの高い手続きが必要になるとみられ、今後の政局の焦点の一つとなりそうだ。

憲法改正のハードルの高さ

アメリカ憲法の改正には、連邦議会上下両院それぞれで3分の2以上の賛成に加え、全50州のうち4分の3にあたる38州議会の承認が必要とされる。極めて高いハードルが設定されているため、実際に憲法修正が実現するケースは歴史上も限られている。

3選禁止規定の撤廃を目指す動きが仮に本格化したとしても、こうした手続き上の壁を越えるのは容易ではないとみられる。

過去にも見られた3選論争

アメリカの政治史においては、過去にも大統領の多選を望む声が一部で上がったことがあるが、いずれも実現には至っていない。建国以来受け継がれてきた「権力の集中を避ける」という価値観は、アメリカの民主主義の根幹をなす原則の一つとされ、これを覆すことへの抵抗感は与野党を問わず根強い。

トランプ氏の発言も、支持層への一種のリップサービスという側面がある一方、こうした歴史的な文脈を踏まえれば、実現可能性は低いとみる向きが多い。

次期大統領選への影響

トランプ氏が3期目に出馬しないとなれば、2028年の大統領選ではポスト・トランプを見据えた与野党双方の候補者選びが本格化することになる。政権の支持率が伸び悩む中、次期選挙に向けた共和党内の主導権争いにも、今後注目が集まりそうだ。

副大統領をめぐる後継者論

アメリカの大統領選をめぐる議論では、現職大統領が3選できない場合、副大統領が後継候補として名乗りを上げるケースが多く見られてきた。トランプ政権下でも、次期選挙に向けて誰が共和党の候補者になるのか、早くも党内外で憶測が広がっている。

民主党側も、トランプ政権への批判票の受け皿となる候補者選びを本格化させるとみられ、2028年の大統領選は早くも激しい前哨戦の様相を呈しつつある。

世界が注視するアメリカの動向

アメリカ大統領の動向は、日本を含む同盟国や国際社会全体に大きな影響を及ぼす。関税政策や外交方針など、トランプ政権の一挙手一投足が世界経済や国際情勢を左右してきただけに、今回の3期目に関する発言も、国内外で大きな関心を集めている。

今後の政権運営や次期選挙に向けた動きから、目が離せない状況が続きそうだ。

アメリカ国内の分断とその影響

トランプ政権をめぐっては、支持層と批判層の間で国内世論が大きく分かれている状況が続いている。関税政策や移民政策への評価が割れる中、こうした国内の分断が、今後の政局運営や選挙戦にどのような影響を与えるかも注目される。

民主主義国家における権力の移行と、その正統性をどう保つか。今回のトランプ氏の発言は、あらためてこうした根源的な問いを投げかける機会になったといえそうだ。憲法の枠組みがどこまで政治的な圧力に耐えられるか、今後も注視していく必要がある。

まとめ、今後の焦点

今回のトランプ氏の発言は、法律上の制約を認めつつも、支持者への配慮をにじませる巧みなバランスの取り方だったとも受け取れる。3期目出馬は事実上困難な情勢である一方、政権への注目度は今後も高いまま推移するとみられる。

2028年の大統領選に向けて、アメリカ政治の動向から目が離せない状況が続きそうだ。日本を含む世界各国にとっても、その行方を注意深く見守るべき局面が続いている。

元記事はこちら:トランプ大統領「法律は厳格だ」 3期目の出馬に否定的な見解(TBSテレビ)

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