タレントの劇団ひとりが、宅配便の“配達時間指定”をめぐって不満を口にしたことが話題になっている。9月1日放送の「ザ!世界仰天ニュース」(日本テレビ系)で、住まい事情のトークの中から話題が荷物の受け取りに及んだ。
午後は2時間刻みの時間指定なのに、なぜ午前中だけ8時〜12時と4時間もの幅があるのかという指摘に、スタジオも共感ムードになったという。このニュースをきっかけに「なぜ午前だけ時間指定の幅が長いのか」を調べる人が増えている。この記事ではその理由と、対処法を整理する。元記事はこちら。
番組での発言内容
劇団ひとりは、自身の住まいが築40年と古く、宅配ロッカーなど設備が整っていないため荷物の受け取りに困っていると告白。時間指定について「待ってないといけない」「気が休まない」と述べた上で、「4時間だけ身動きできない!」と訴えた。
King&Princeの永瀬廉やtimeleszの松島聡も同調するなど、スタジオは共感ムードに包まれた。一方でSNSでは、配達業務に携わっていると思われるユーザーから「どんだけ大変だと思ってんだよ」といった反発の声も上がっている。
なぜ午前中だけ4時間なのか
主要な宅配業者の午前中指定は、多くの場合8時から12時までの4時間に設定されている。この幅が広い理由の一つは、午前中指定を選ぶ利用者が非常に多いことだ。特に法人向けの荷物では、午前中に届けば午後から作業に取りかかれるため、午前中指定を選ぶケースが集中しやすい。
需要が集中する時間帯を細かく区切ってしまうと、配達員が担当エリアを時間内に回りきれなくなる可能性がある。また、午前中の配達には、前日の集配所への荷物到着状況や、当日朝の仕分け・積み込み作業の所要時間も影響するため、開始時刻や進行ペースが日によって前後しやすいという事情もある。
午後の時間指定との違い
午後の時間指定が2時間刻みで区切られているのに対し、午前中だけ4時間の幅があるのは、こうした需要の偏りと業務フローの違いによるものといえる。午後は比較的、時間帯ごとの荷物量が分散しやすいため、細かい区切りでも配達員の負担が過度に増えにくいと考えられる。
一方、午前中は出発前の準備作業に加えて需要も集中するため、同じ2時間刻みにすると、時間内に配達を終えられないリスクが高まってしまう。
物流業界の人手不足という背景
近年、物流業界ではドライバー不足が深刻な課題となっている。時間指定を細かくすればするほど、配達員1人あたりの業務負担は増加し、限られた人員での対応が難しくなる。
利用者の利便性と、配達員の負担のバランスをどう取るかは、簡単には答えの出ない課題だ。時間指定サービス自体が、こうした人手不足の中でも一定の品質を保つための、業界側の工夫の結果として成り立っているといえる。
時間指定の待ち時間を減らす代替手段
時間指定であっても長時間の在宅を避けたい場合、いくつかの代替手段がある。コンビニ受け取りを指定すれば、自分の都合の良いタイミングで荷物を取りに行くことができる。宅配便ロッカーも多くの業者で対応しており、数日間荷物を預かってもらえるサービスもある。
また近年は、玄関前などに荷物を届けてもらう「置き配」を選べるケースも増えている。在宅の必要がなくなる分、時間指定にまつわるストレスを大きく軽減できる方法として、利用者の間で徐々に浸透しつつある。
2024年問題との関連
物流業界では、トラックドライバーの時間外労働に上限規制が適用された、いわゆる「2024年問題」が大きな影響を及ぼしている。労働時間の制約が強まったことで、従来と同じ配達件数をこなすには、より多くの人員や効率化が必要になっている。
時間指定サービスの幅を細かくすることは、一見すると利用者の利便性向上につながるように思えるが、その裏では配達員1人あたりの移動・待機時間が増え、労働時間の圧迫につながりかねない。2024年問題以降、各社が時間指定の枠組みを見直す動きも出てきており、今回のような議論は今後さらに活発化する可能性がある。
再配達問題との関係
時間指定サービスが充実してきた背景には、荷物の受け取りができずに発生する「再配達」を減らしたいという業界側の狙いもある。国土交通省の調査によれば、再配達は宅配業務全体の中で一定の割合を占め続けており、ドライバーの負担増加や環境負荷の面でも課題視されてきた。
時間指定はこうした再配達を減らすための仕組みである一方、今回のように「指定した時間帯自体が長すぎる」という不満につながる面もある。利用者が在宅せずに受け取れる仕組みを広げることが、双方にとってより根本的な解決策になるとみられる。
今後の展開
今回の劇団ひとりの発言は、多くの人が日常的に感じている不便さを代弁した形で共感を呼んだ一方、配達現場の実情を知る人からは異なる視点の声も寄せられた。便利さと配達員の負担は表裏一体の関係にあり、どちらか一方だけを追求することは難しい。
今後、AIを活用した配達ルートの最適化や、より柔軟な受け取り方法の普及が進めば、時間指定の幅そのものが見直される可能性もある。物流業界の技術革新の行方にも注目が集まりそうだ。
視聴者からの共感とドライバー側からの反発、両方の声が寄せられた今回の一件は、便利なサービスの裏にある現場の負担について、あらためて考えるきっかけになったといえる。


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