木梨憲武のベンツ踏みつけ騒動、SHOとは何者か

木梨憲武のベンツ踏みつけ騒動、SHOとは何者か エンタメ

タレントの木梨憲武が、約4カ月前にABEMAで放送された番組内で、ゲスト出演したラッパー・SHOの愛車であるベンツのルーフに乗り、体をバウンドさせてへこませていた一件が、いま改めて大きな批判を浴びている。

SHO本人が8月30日に当時の様子をSNSで振り返ったことで映像が再拡散し、日本のヒップホップシーンに影響力を持つラッパー・Kダブシャインも批判に加わる事態となった。この記事では騒動の経緯と、SHOという人物について整理する。元記事はこちら

騒動の発端

問題となったのは、4月25日にABEMAで放送された音楽番組「木梨レコード」でのワンシーンだ。ゲスト出演したSHOの愛車であるゴールドのベンツに、木梨が土足で乗り込み、「危ないかも」と不安がるSHOの声を聞かず、車の上で体をバウンドさせて天井部分をへこませてしまった。

8月30日、一般ユーザーからのリプライをきっかけにSHOが当時の映像とともに「これで俺がキレて帰ったら誰も得しないだろ 男には我慢する時もあるってことだよ」と投稿し、自身が笑いながらも我慢していたことや、車の修理費用がABEMA側の負担で行われたことを明かした。

大物ラッパーによる批判

この投稿をきっかけに、日本のヒップホップシーンで大きな影響力を持つグループ「キングギドラ」のメンバー、Kダブシャインが9月1日、SHOの投稿を引用する形で「憲武ヒップホップなめてるの? 甘やかすなよ アベマもなんか勘違いしてるよな」と投稿。木梨とABEMAの姿勢を痛烈に批判した。

Kダブシャインは木梨より年下だが、ラップ界における「大物」としての存在感から、この投稿には多くの反響が寄せられ、「業界の方が声をあげてくれて嬉しいです」といった支持の声が広がっている。

SHOとはどんな人物か

SHOは岐阜県高山市出身のラッパーで、もともとはアルペンスキーの元日本代表という異色の経歴を持つ。5歳ごろから父の指導でスキーを始め、17歳でジュニア日本代表、19歳で日本代表に選ばれるほどの実力者だった。

しかし高校1年生の時に指導者だった父をがんで亡くし、21歳の時にはオーストリアでの練習中に股関節を負傷。リハビリを経て出場したアジア大会は4位に終わり、オリンピック出場の内定が得られなかったことから、アルペンスキーでの競技活動を断念した経緯がある。

ラッパーへの転身

父を亡くし精神的に落ち込んでいた高校時代、2PACの楽曲に触れたことをきっかけに精神的な強さを取り戻し、スキーを辞めてラッパーになることを決意したという。

2021年ごろには、代表曲の一つが海外で話題となり、以降はヨーロッパを皮切りに、アメリカやアフリカ、アジアでも認知されるワールドワイドなラッパーへと成長を遂げてきた。今回踏みつけられたゴールドのベンツも、こうした自身のブランディングと深く結びついた愛車だったとみられる。

コンプライアンス時代の“悪ノリ”

木梨は、かつて相方の石橋貴明とともに「とんねるず」として、過激な悪ノリ企画で人気を博してきた芸人だ。カメラやセットの破壊などは、木梨の“十八番”ともいえる持ち味として長年親しまれてきた。

しかし、テレビを取り巻くコンプライアンス意識が大きく変化した現在、こうした表現が「時代錯誤」だと受け止められる場面が増えている。今回の騒動も、かつては笑いとして成立していたスタイルが、現代の視聴者の感覚とズレを生んでしまった典型例といえそうだ。

Xでの反応

今回の一連の騒動を受け、Xでは「業界の方が声をあげてくれて嬉しいです」「ヒップホップなめてる云々以前に、単純に面白くないんだよな」といった声が多く寄せられている。

単なる悪ノリへの批判にとどまらず、ヒップホップという文化そのものへの敬意が欠けているのではないかという指摘も見られ、議論はエンターテインメントのあり方全体に広がりを見せている。

過去にも指摘された同様の悪ノリ

今回の騒動を受け、木梨がかつて起こした別の“悪ノリ”エピソードもSNS上で再び注目を集めている。2009年、お笑いコンビ「サンドウィッチマン」の富澤たけしが新婚生活を始めたばかりのマンションに、とんねるずの2人がサプライズ訪問した企画だ。

寝室で焼き鳥を焼いたり、トイレの壁一面を赤く塗ったりするなど、原状回復が難しくなるほどの過激な内容で、結果的に富澤さん夫婦はそのマンションから引っ越すことになったと伝えられている。当時は“とんねるずらしい”過激なロケとして受け入れられていたが、17年近くが経った今、同様の視点で振り返られると、時代とのズレがより一層際立つ結果となっている。

相方・石橋貴明も抱える課題

「時代に合わなくなった」との指摘は、木梨だけにとどまらない。相方の石橋貴明も2025年4月、過去のセクハラ疑惑をめぐって謝罪に追い込まれた経緯がある。中居正広氏の女性トラブルに関する調査報告書の中で、類似の事案として実名が報じられたことがきっかけだった。

石橋は当時、早期の食道がんで療養中だったこともあり、詳細な説明よりも謝罪を優先する形での対応となった。とんねるずというコンビ全体が、悪ノリを持ち味としてきた芸風のアップデートを迫られている状況がうかがえる。

今後の焦点

木梨本人やABEMA側から、今回の再燃した批判について新たなコメントが出るのかが今後の焦点となる。SHOの愛車は番組側の負担で修理されたとされるが、金銭的な補償だけでは収まらない反発が広がっている点は見過ごせない。

ベテラン芸人の“持ち味”とされてきた表現手法が、令和の価値観の中でどう評価されていくのか、今回の一件は一つの試金石になりそうだ。

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