うきは市の梨園で幸水5000個が盗まれる
福岡県うきは市で梨を栽培する農家が、収穫を数日後に控えていた梨およそ5000個を何者かに盗まれる被害に遭った。被害があったのは7月16日から17日にかけての夜間とみられ、防犯用のセンサーや柵を設置していたにもかかわらず、被害を防ぐことはできなかったという。
盗まれたのは「幸水」という品種で、栽培していた70本のうち50本分の実がほぼ根こそぎ持ち去られていた。お中元シーズンを控え、贈答用として需要が高まる時期だったこともあり、被害額は小さくない規模になるとみられる。
この農家は前年にも同様の被害に遭っており、経営していた会社をたたんで個人事業主として再起を図っていた矢先の出来事だった。今回の被害を受け、梨の栽培自体をやめることを検討していると明らかにしている。
盗まれた「幸水」とはどんな梨?特徴と旬の時期
幸水は日本梨の代表的な品種で、国内で栽培される梨のかなりの割合を占めるとされる。表皮は薄い茶色で、果肉はやわらかく水分が多いのが特徴だ。強い甘みとみずみずしさから、贈答用としても定番の品種になっている。
収穫時期は7月下旬から8月にかけてで、梨の中では早生(わせ)に分類される。ちょうどお中元の時期と重なるため、この時期に収穫される幸水は贈答需要と直結しやすい。千葉県や茨城県、福岡県など各地で栽培されている。
後を絶たない農作物盗難、背景と対策
収穫前の農作物が盗まれる事件は、警察庁の統計によると全国で年間2000件を超えて発生しており、その半数以上が未解決のまま残っているとされる。夜間の広い農地は人目が届きにくく、犯人の特定が難しいことが背景にある。
対策としては、防犯カメラの設置や地域ぐるみの見回り、収穫時期を前倒しするといった方法が知られている。盗まれた農作物が転売されるケースもあるため、フリマアプリなどの流通経路を監視する取り組みも進められている。
収入保険や農業共済といった制度に加入しておくことで、盗難による損失の一部を補填できる場合もある。ただし加入していない農家も多く、被害がそのまま経営に直結してしまう実態がある。
梨づくりをやめる決断ー地域農業への影響
今回被害に遭った農家は、2年連続で大量の梨を盗まれたことを受け、梨の栽培から撤退する意向を示している。丹精込めて育てた作物を一瞬で奪われる被害は、経済的な損失にとどまらず、農業を続ける意欲そのものを削いでしまう。
地域の主力品種を手がける農家が離農すれば、産地としての生産量や技術の継承にも影響が及びかねない。警察は窃盗事件として捜査を進めているといい、今後の捜査の行方とあわせて、地域の農業をどう守っていくかも問われている。
元記事はこちら:卑劣な犯行!うきは市の農園から梨5000個盗まれる(テレQ)


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