「おじさんファッション」はなぜダサいと言われる?

「おじさんファッション」はなぜダサいと言われる? 社会

「おじさんファッション」への厳しい視線

「パーカーおじさん」や「クールビズのハーフパンツ勤務」など、中年男性の装いは何かと議論の的になりやすい。各種アパレル企業や意識調査でも、男性の身だしなみに対する世間の目の厳しさが浮き彫りになっている。

SNS上では、特定のコーディネートをした中年男性の写真が「痛い」「ダサい」といった言葉とともに拡散されることも珍しくなく、当事者からは「一体何を着ればいいのか」という戸惑いの声も上がっている。

最重視されるのは「清潔感」

複数の意識調査で、周囲が男性の身だしなみに最も求める要素として一貫してトップに挙がるのが「清潔感」と「年相応のサイズ感」だ。20〜40代男性を対象にしたある調査では、私服について周囲に持たれたい印象のトップが「清潔感がある」で36.7%に上ったという結果も出ている。

この基準から外れることが、「おじさんファッション=ダサい」という評価に直結しやすい傾向がある。ブランドや流行を意識するよりも、まずは基本的な清潔感を保つことが、周囲からの評価を大きく左右するようだ。

ハーフパンツ勤務、賛否分かれる理由

近年、クールビズの一環としてオフィスでも解禁が進む「ハーフパンツ勤務」だが、意識調査では抵抗感を示す声も多い。「すね毛や生脚の露出が目につく」「オフィスでのだらしなさを感じる」といった意見が主な理由として挙げられている。

一方で、猛暑が続く近年の気候を踏まえれば、健康面や労働環境の観点からハーフパンツ勤務を評価する声もある。見た目の印象と実用性のどちらを優先すべきか、意見が割れやすいテーマといえる。

スキニーやパーカーが「痛い」と言われる要因

体型が出やすい「スキニーパンツ」も、女性向けの意識調査で「中年男性の過度なピチピチ感に違和感を抱く」という回答が目立つという。体型の変化を強調してしまうフィット感が、批判の対象になりやすいようだ。

40代以上のパーカー着用や肌の露出が多いタンクトップについても、「若作り感」を指摘する声が見られる。若い世代のトレンドをそのまま取り入れることが、かえって年齢とのミスマッチとして受け止められてしまうケースが多いようだ。

ブランド重視のコーディネートも要注意

高級ブランド品で全身を固めるコーディネートについても、「アピールが過剰」と冷ややかに受け止められることがあるという。特定のロゴが目立つアイテムを複数組み合わせることは、経済力の誇示と受け取られやすく、かえって品のなさを印象づけてしまう場合もあるとされる。

ブランドそのものが悪いわけではなく、TPOに合わせた分量やバランスを意識できているかどうかが、評価の分かれ目になっているようだ。

調査に見る世代間ギャップ

身だしなみに関する意識調査では、評価する側とされる側で感覚にずれが生じやすい点も指摘されている。着用している本人は「快適さ」や「機能性」を重視している一方、周囲は「見た目の印象」を重視するため、双方の価値観がかみ合わないケースが多いようだ。

こうしたギャップが、SNS上での一方的な「ダサい認定」につながりやすい構造を生んでいるとも考えられる。

年相応のサイズ感、意識したいポイント

高級ブランド品で全身を固めるコーディネートも冷ややかに受け止められることがあるという結果を踏まえると、結局のところ、ブランドや流行以前に、清潔感とサイズ感が印象を大きく左右するというのが、一連の調査結果から見えてくる共通項のようだ。

過度に若作りを意識するのではなく、自分の体型や年齢に合った着こなしを心がけることが、遠回りに見えて最も評価されやすい選択肢といえそうだ。

企業の意識調査から見える傾向

マンダムなどのメーカーが実施した調査では、職場の同僚や既婚の母親世代、学生といった異なる立場の人々が、中年男性のファッションをどう見ているかという多角的な視点での分析も行われている。立場によって評価の基準が微妙に異なる点も、この問題の複雑さを物語っている。

職場では「だらしなさ」への評価が厳しくなりやすく、プライベートの場面では「若作り感」への指摘が目立つなど、シーン別に求められる基準が異なることも、当事者にとって「何を着ればいいか分からない」という戸惑いにつながっているようだ。

おじさんファッションを克服するためのヒント

専門家からは、高価な服を買うことよりも、まずサイズ感を見直すことが最も効果的だという指摘がある。既製服のサイズを自分の体型に合わせて微調整するだけでも、印象は大きく変わるとされる。

また、色数を絞ったシンプルな組み合わせや、季節に応じた素材選びなど、基本を押さえることが「痛い」と言われがちな装いを避ける近道になるという。流行を追いすぎず、清潔感を最優先することが、結果的に幅広い世代から好感を持たれる装いにつながりそうだ。

SNS時代特有の「一方的な断罪」の構図

近年は、街中で撮影された中年男性のコーディネートがSNSで無断で共有され、揶揄の対象になるケースも珍しくない。本人の同意なく容姿や服装が晒され、不特定多数から批評される構図は、当人にとって大きなストレスになり得る。

ファッションの好みは本来個人の自由であるはずだが、SNS上では「見た目の評価」が過度に増幅されやすい側面がある。批評する側にも、当事者への配慮を忘れないマナーが求められているといえそうだ。

女性のファッションにも同様の構図

「おばさんファッション」という言葉も同様に使われることがあり、年齢を重ねた男女どちらのファッションに対しても、世間の評価は厳しくなりがちだという共通点がある。年齢による装いへの偏見は、性別を問わず存在する社会的な課題ともいえる。

年齢にとらわれず、自分らしい服装を楽しむ文化が広がることが、こうした一方的な「ダサい認定」を減らす一助になるかもしれない。清潔感というシンプルな基準を軸に、世代を問わず心地よい着こなしを楽しめる社会が広がることが望ましいといえそうだ。

アパレル業界の対応も変化

こうした世論の変化を受け、アパレル業界でも中年男性向けのラインナップを見直す動きが出てきている。サイズ展開を細分化したり、体型の変化をカバーするシルエットのアイテムを充実させたりするブランドも増えているという。

「おじさん向け」という括りではなく、年齢を問わず着られるベーシックなアイテムを軸にした展開を強化するメーカーも多く、消費者側の選択肢は以前より広がりつつある。自分に似合うスタイルを見つけやすい環境が整いつつあることも、今後の変化を後押ししそうだ。選ぶ側の意識と、提供する側の品ぞろえがともに変化していくことで、世代を問わず着心地の良い装いが広がっていくことが期待される。

元記事はこちら:おじさんファッションって本当にダサい!?(Yahoo!ニュース)

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