米国とイランの間で緊張が急速に高まっている。
イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」海軍は7月12日未明、ホルムズ海峡の閉鎖を発表した。
ホルムズ海峡封鎖の宣言
IRGCは声明で、複数の船舶が「許可されていない航路」を通って海峡を通過しようとしたことを「外国勢力による干渉」だと非難した。
実際にそのうちの1隻へ警告射撃を行ったことも明らかにしている。声明は「外部勢力による不法な干渉が危険な状況を引き起こした」として、追って通知があるまで、また米国による地域への干渉がやむまで海峡を閉鎖するとした。
米軍による新たな空爆
これに先立つ11日、米軍はイランがホルムズ海峡でキプロス船籍のコンテナ船を「公然と攻撃した」として、新たな空爆を実施したと発表した。
米中央軍は、この攻撃がトランプ大統領の指示で行われたと説明している。ヘグセス国防長官は「イランは愚かな選択をした。今度は彼らが代償を払う番だ」とコメントした。
そもそもホルムズ海峡とは
ホルムズ海峡は、イランとアラビア半島の間に位置する幅の狭い海峡だ。
ペルシャ湾と外洋を結ぶ唯一の航路であり、世界の原油輸送のうち大きな割合がこの海峡を通過するとされる、極めて重要な国際航路として知られている。
この海峡が封鎖されれば、世界のエネルギー供給や原油価格に直接的な影響が及びかねない。過去にもイランが緊張の高まりに応じて封鎖をちらつかせることが繰り返されてきた経緯がある。
実際に全面封鎖に踏み切れば、日本を含む多くの国のエネルギー輸入にも打撃が及ぶため、国際社会は今回の宣言がどこまで実行されるのか神経をとがらせている。
指導者交代と「復讐」の声明
今回の緊張の背景には、イランの最高指導者だったアリ・ハメネイ師が米国とイスラエルの攻撃で死亡したという経緯がある。
その後を継いだ息子のモジタバ・ハメネイ師は11日、父らの「殉教」に関して「復讐を誓う」との声明を発表した。国葬行事がテヘランで行われ、10日未明に北東部の聖地マシャドへの埋葬が完了したことを受けての発表だった。
国葬の参列者からは米・イスラエルへの報復を訴える声が相次いだといい、イラン国内では米国との戦闘終結の覚書に否定的な意見もあるという。
今後の焦点
停戦に向けた協議が続く可能性が示唆される一方、実際には攻撃の応酬が続いている状態だ。
ホルムズ海峡の封鎖がどこまで実効性を持つのか、また米・イラン間の緊張がさらに激化するのか、世界経済への影響も含めて注視が必要な局面が続いている。
攻撃の応酬が続く中、周辺国や国際機関がどのような仲介の役割を果たせるのかにも関心が集まっている。原油価格の動向や、日本を含む各国のエネルギー安全保障政策にどのような影響が及ぶのか、今後の展開を注視したい。
日本は原油の多くを中東からの輸入に依存しており、ホルムズ海峡情勢の悪化は物価や燃料費を通じて国内の暮らしにも波及しかねない。政府がどのような対応を取るのかにも注目が集まる。
過去にも同様の緊張が高まるたびに、国際的な原油市場は敏感に反応してきた。今回のケースでも、市場関係者は事態の推移を固唾をのんで見守っている状況だ。実際に全面的な封鎖が続けば、世界経済全体への打撃も避けられないとみられている。トランプ大統領が今回の攻撃を指示した背景にどのような戦略があるのかも、今後の分析が待たれるところだ。停戦への協議が語られる一方で軍事行動が続くという矛盾した状況が、事態の複雑さを物語っている。
今後の展開次第では、周辺国を巻き込んだより大規模な紛争に発展するリスクも否定できない。
元記事はこちら: イラン、ホルムズ海峡の閉鎖を宣言(Yahoo!ニュース)


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