キャンプ好きで知られるお笑い芸人・ヒロシ(54)と、アウトドアメーカー「笑’s(ショーズ)」との間で起きた焚き火台の制作を巡るトラブルについて、メーカー側の代表の妻が経緯を初めて詳しく語った。
8月17日にヒロシがXでトラブルを公表して以降、ネット上で大きな注目を集めてきたこの騒動。この記事ではメーカー側の説明の内容を整理する。元記事はこちら。
ヒロシ側の主張
発端は8月17日、ヒロシの投稿だった。「オリジナル焚火台を制作依頼。作りたい具体的な形を提示。依頼した会社が制作開始。作ってる最中に、制作会社も同じものを作ると言いだす」と経緯を説明。「同じものは作らないと約束を得たので、続行。商品完成。契約書段階で同じの作るってさ」とつづり、「やりとり全部ラインに残っとるんだがな。俺が悪いのか、判断してもらいたいよ」と訴えていた。
メーカー側の反論
これに対し「笑’s」側も同月18日、ヒロシへの直接の言及は避けつつ「私どもの言い分を書く事にします」とSNSで反応。「某芸人さんから突然焚き火台を創って欲しいとLINE連絡があり、それがもう嬉しくて無償で企画設計」し、3カ月ほどかけて新たな構造を考え試作したと説明した。
そして「戻ってきた契約書を確認して唖然とした。知的財産権は私ではなく相手方に帰属すると書いてある。しかも図面まで相手方に帰属すると」と反論。「自分が3カ月以上かけて考えたものを簡単に渡せますか」と、契約内容への強い違和感を示していた。
代表の妻が語った経緯
今回、メーカー代表の妻が改めて取材に応じ、詳しい経緯を語った。それによると、今年春ごろにヒロシからLINEで、オリジナルの焚き火台を作りたいという相談があったという。その際、ヒロシは焼き切れた針金でつなげたサンプルと、既存のウッドストーブの商品画像をいくつか提示していたとされる。
「笑’s」側は他社の模倣を嫌う方針から、作るとすれば独自の作り方に変えることを伝えたといい、当時は金銭面の話はしていなかったという。「今から思えば、この時に権利関係の話も詰めておけば良かった」と振り返りつつ、「うちもブランドなので、コラボや簡易OEMだろう、と思い込んでいた」と、当時の認識のズレを説明している。
2人の以前からの関係性
実は2人には、今回のトラブル以前から交流があったという。「笑’s」の代表の妻によると、2015年のアウトドア雑誌で自社製品をヒロシが使用していたことをきっかけに関係が始まり、その後は一緒にキャンプに行ったり、テレビ番組に共演したりする間柄になっていたとされる。
「白樺の皮が着火剤になるのを教えたのも夫だそうです」と明かすなど、キャンプ芸人として再ブレイクしていくヒロシを、代表自身も自分のことのように喜んでいたという。長年の信頼関係があったからこそ、今回の契約を巡る食い違いは、双方にとって残念な結果になったといえる。
契約書を巡る食い違いの本質
今回のトラブルの核心は、口頭やLINEでのやり取りの段階で、権利関係について明確な合意がなされていなかった点にある。「笑’s」側はコラボレーションやOEM(相手先ブランドによる完成品供給)の関係を想定していたのに対し、実際に交わされた契約書では、知的財産権や図面の帰属がヒロシ側にあると記載されていたとされる。
こうした認識のズレは、口約束や非公式なやり取りが先行し、正式な契約条件の擦り合わせが後回しになった場合に起こりやすい問題といえる。クリエイター同士のコラボレーションにおいて、権利関係を早い段階で明確にしておくことの重要性を示す事例だ。
これまでの騒動の経過
今回の騒動は、8月17日のヒロシの投稿を発端に、日を追うごとに拡大してきた経緯がある。「笑’s」側の反論投稿によってヒロシであることが明確になった後、ヒロシ自身が直接反応することはなかったものの、自身を擁護するユーザーへの返信を通じて、間接的にメーカー側への不満をにじませる場面も見られた。
さらにその後、「笑’s」側が誹謗中傷を理由に被害届を提出する事態にまで発展。SNS上で広く拡散されたことで、単なる一企業と一芸人の契約トラブルにとどまらず、多くの人が注目する社会的な話題へと発展していった。
クリエイターコラボにおける権利関係の重要性
今回のようなケースは、著名人と職人・メーカーとのコラボレーション企画において、決して珍しい話ではない。無償での企画協力という形でスタートする案件は、双方の信頼関係に基づいて進行しやすい反面、金銭や権利に関する取り決めが後回しにされがちだ。
特に、知的財産権の帰属先や、完成品の販売可否といった条件は、プロジェクトの初期段階で書面化しておくことが望ましいとされる。今回の一件は、こうした基本的なリスク管理の重要性を、多くの個人事業主やクリエイターに再認識させる出来事になったといえる。
今後の焦点
ヒロシ本人はこれまで、当時のLINEのやり取りを公開していない状況が続いている。メーカー側は「LINE公開して頂いて構いません」とすでに呼びかけており、今後ヒロシ側からどのような対応が示されるかが焦点になる。
長年の信頼関係があった両者だけに、今回の騒動がどのような形で決着するのか、多くのファンが注視している。


コメント