オウンドメディアとは?富川悠太氏がテレ朝からトヨタへ

オウンドメディアとは?富川悠太氏がテレ朝からトヨタへ IT

元テレビ朝日アナウンサーの富川悠太さんが、トヨタ自動車の企業メディア「トヨタイムズ」への移籍の真相をインタビューで語った。テレビ朝日で「報道ステーション」のメインキャスターを務めるなど華々しいキャリアを築いてきた富川さんが、45歳という節目で大きな転身を決めた経緯が注目を集めている。

このニュースをきっかけに「オウンドメディアとは何か」を調べる人が増えている。この記事ではオウンドメディアの基本的な仕組みと、トヨタイムズの特徴を整理する。元記事はこちら

オウンドメディアとは何か

オウンドメディアとは、企業が自ら所有・運営するメディアのことを指す。企業がマーケティング戦略を考える際に用いられる「トリプルメディア」という分類の一つで、2009年に米国の調査会社フォレスターリサーチ社が提唱した概念とされる。

トリプルメディアは、お金を払って掲載する広告である「ペイドメディア」、口コミやSNS、報道機関による記事など第三者が発信する「アーンドメディア」、そして企業自身が所有・管理する「オウンドメディア」の3種類に分類される。それぞれ異なる役割を持ち、組み合わせて活用することが、現代のマーケティングの基本とされている。

「トヨタイムズ」とはどんなメディアか

「トヨタイムズ」は2019年に始動した、トヨタ自動車のオウンドメディアだ。一般的な企業広報とは異なり、企業スポーツの応援企画から新規事業の現場密着、社長・会長への直撃インタビューまで、タブーなしでさまざまなコンテンツを発信していることが特徴とされる。

ウェブサイトとテレビCMを連動させる手法も特徴の一つで、公式YouTubeチャンネルは「トヨタイムズ」と「トヨタイムズスポーツ」の2チャンネル合計で約150万人の登録者数を誇る人気メディアに成長している。

設立の背景

トヨタイムズ設立の背景には、豊田章男会長(当時社長)が2018年からラジオ番組でリスナーの質問に直接答える経験を通じて、従来の広報・広告活動だけでは会社の思いを十分に伝えきれないと感じたことがあったとされる。

ニュースやメディア取材だけでは伝えきれない経営トップの思いやブランドストーリーを、自分たちの言葉で多くの人に届けることを目的として立ち上げられた経緯がある。

富川悠太さんの経歴

富川さんはテレビ朝日のアナウンサーとして、スポーツ実況からバラエティ番組まで幅広いジャンルを担当。2016年には同局の看板番組「報道ステーション」のメインキャスターを務めるなど、局アナとして華々しいキャリアを築いてきた。

豊田章男会長とは「報道ステーション」時代から接点があり、トヨタの次世代都市構想「ウーブン・シティ」の独占インタビューを行うなど、以前から縁があったという。

移籍を決めた経緯

当初はトヨタへの入社を考えていなかったという富川さんだが、コロナ禍で自身の将来を見つめ直すタイミングが訪れたことが転機になったとされる。45歳という年齢で「挑戦するなら今だろう」という思いが強まったという。

富川さんは報道の現場で「誰かの役に立ちたい」という思いを軸に働いてきたとし、その姿勢が「自分以外の誰かのために動き回る」豊田会長の考え方と重なったことが、移籍の決め手になったと語っている。

元アナウンサーのオウンドメディア転身という流れ

近年、テレビ局のアナウンサーが企業のオウンドメディアやYouTubeチャンネルへ活動の場を移すケースは、富川さんに限らず増えてきている。取材力やインタビュー技術、伝える力といったアナウンサーとしての専門性が、企業の情報発信において高く評価されるようになってきたためとみられる。

テレビ局という枠組みを離れても、自身の強みを生かせる新しい場として、オウンドメディアが選択肢の一つとして定着しつつある。

オウンドメディアが注目される理由

近年、企業がオウンドメディアに力を入れる背景には、従来型の広告だけでは、消費者の信頼を獲得しづらくなってきたという事情がある。広告色の強い情報よりも、企業の実態や経営者の本音が伝わるコンテンツの方が、消費者の共感を得やすいという認識が広がっている。

特にトヨタイムズのように、経営トップ自らが積極的に発信する形式は、企業の透明性をアピールする手段としても有効とされる。こうした流れは自動車業界だけでなく、幅広い業界のオウンドメディア戦略に影響を与えている。

森田京之介氏との二人三脚

トヨタイムズを富川さんとともに牽引してきたのが、同じく元アナウンサーの森田京之介さんだ。森田さんは「トヨタイムズスポーツ」を中心に手がけてきたとされ、2人はそれぞれ異なる立場・アプローチでメディアを引っ張ってきた。

元キー局アナウンサーという共通の経歴を持ちながら、異なる強みを生かして役割分担する2人の存在が、トヨタイムズの多様なコンテンツ展開を支えてきたといえる。

今後の焦点

トヨタイムズは、富川さんの移籍とほぼ同じタイミングで「新たなフェーズ」を掲げ、リアルな情報発信をさらに強化する方向へと進化を遂げている。今後、富川さんがどのようなコンテンツを生み出していくのかに注目が集まる。

元キー局アナウンサーという知名度と信頼性を武器に、企業メディアという新しいフィールドでどのような影響力を発揮していくのか、引き続き注視されそうだ。

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