キオクシア株、1カ月弱で半値に 30兆円消失の理由

キオクシア株、1カ月弱で半値に 30兆円消失の理由 IT

キオクシアホールディングスの株価が、6月22日につけた上場来高値からわずか1カ月弱で半値になった。

7月17日の東京株式市場で、半導体メーカーのキオクシアHDはストップ安となる前日比1万円(16%)安の5万2110円まで下落した。終値ベースでの最高値10万8700円からの下落率は52%に達し、時価総額は約30兆円が消失した計算になる。

急騰の背景にあったAI需要

AI需要の急拡大を背景に、米ハイパースケーラー(大手クラウド運営業者)によるデータセンターへの巨額投資でメモリー半導体の価格が高騰し、キオクシアの業績は急拡大していた。

これを受けて株価は急騰し、6月には一時、国内の株式時価総額トップに立つほどの勢いを見せていた。AI相場を象徴する銘柄として、多くの投資家の注目を集めていた経緯がある。

急落を招いた複数の要因

株価急騰の過程で信用買い残が積み上がっていたため、ポジションの手じまいによる下落は以前から警戒されていた。

加えて、米投資ファンドのベインキャピタルが保有株を全て売却したことも、半導体の市況や株価が転換点を迎えたことを示すサインとして受け止められた。大和証券投資情報部の坪井裕豪チーフストラテジストは「株価が急騰していたセクターの代表格だったため、過熱感を解消する時期ということだろう」と分析している。

世界的なメモリー市況の変化

中国のメモリー会社が注目される中、世界全体でメモリー価格の上昇が落ち着くとの見方も広がっており、短期投資家が利益確定を急いだとみられている。

AI関連の投資マネーが特定の銘柄に集中しやすい構造の中で、市況のわずかな変化が株価に大きな振れ幅をもたらす典型的な事例と言えそうだ。

それでも年初来では大幅高

高値から半値になったとはいえ、年初来の上昇率は約400%と、東証株価指数(TOPIX)の構成銘柄で依然トップの水準にある。

日本株指数の最高値更新に貢献した象徴的なAI関連銘柄だけに、今後の値動きは指数全体の先行きを占う上でも注目されている。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは「韓国のレバレッジ型上場投資信託(ETF)の影響も踏まえると、足元のAI・半導体関連の調整は需給要因が大きい」と指摘している。

今後の焦点

バリュエーションが低下する中、今後本格化する日米の決算発表で好決算が続けば、反発の余地が出てくるとの見方も示されている。

AI・半導体関連株全体の調整局面がどこまで続くのか、今後の決算シーズンの内容が大きな判断材料になりそうだ。

個人投資家への影響

急騰局面で信用取引を利用して参入した個人投資家にとって、今回の急落は大きな痛手になったとみられる。

値動きの荒さが際立つAI関連株への投資では、上昇局面だけでなく下落リスクへの備えも重要になる。今回のキオクシアの急落は、その象徴的な事例として今後も語られていきそうだ。

日本株全体への波及

AI関連の代表銘柄として日経平均やTOPIXの押し上げに寄与してきたキオクシアだけに、今回の急落は指数全体にも一定の影響を与えている。

半導体セクター全体の調整が続くのか、それとも一部銘柄に限られた動きにとどまるのか、今後の市場動向を見極める上で重要な指標になりそうだ。決算発表シーズンを控え、市場の目線は業績の実態に移りつつある。実需に基づいた評価が定着するかどうかが、今後の値動きを占う鍵になりそうだ。市場全体のセンチメントが落ち着きを取り戻せるか、しばらく神経質な展開が続く可能性もある。

元記事はこちら: キオクシアHD株、最高値から1カ月弱で半値(Yahoo!ニュース)

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