くら寿司「ちいかわ」中止はなぜ?従業員の罪はどうなる

くら寿司「ちいかわ」中止はなぜ?従業員の罪はどうなる 社会

くら寿司は9月5日、大人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンで従業員による不正行為が判明したとして、コラボ内容の早期終了を発表した。おわびとして9月6、7日の2日間、全品10%割引を実施している。

お笑いコンビ「メイプル超合金」のカズレーザーは、日本テレビ「DayDay.」でこの問題に言及。「くら寿司のアルバイトの時給が1400円前後ってなってるんで、ちょっとモラルのないやつはそういうことするだろうな」と指摘した。このニュースをきっかけに「不正を働いた従業員はどんな罪に問われるのか」を調べる人が増えている。この記事では事件の経緯と法的な論点を整理する。元記事はこちら

キャンペーンの内容と発覚の経緯

くら寿司は8月21日から、5皿に1回引ける「ビッくらポン!」で「ちいかわ」とのコラボを展開。景品としてフィギュア全5種類、缶バッジ全8種類、アクリルマグネット全8種類を用意していた。

ところが8月下旬ごろから、SNS上で「フィギュアが1つも出ない」との投稿が相次ぐ一方、フリマサイトでは同じ景品が大量に出品されていることが発覚。くら寿司が調査した結果、従業員による不正行為が判明した。

くら寿司の対応

くら寿司は9月6日の営業開始時点で、コラボの取り組みすべてを取りやめると発表。景品だけでなく、湯呑みや寿司皿のプレゼント企画、レシート応募企画、コラボメニュー、コラボ動画、一部店舗の装飾も対象となった。

おわびとして2日間の全品10%割引を実施するとともに、警察への相談も進めているとされる。

従業員はどんな罪に問われるのか

専門家の解説によると、従業員に問われ得る刑事責任としては、窃盗罪または業務上横領罪が考えられるという。両者の違いは、景品を誰が管理・保管していたかという点にある。

自分が管理・保管している物を勝手に自分のものにした場合は業務上横領罪、自分が管理していない店の物を持ち去った場合は窃盗罪にあたるとされる。くら寿司は景品を原則として鍵付き倉庫で保管し、複数人で開封・補充する体制を取っていると説明しており、従業員が一人で自由に景品を動かせる状態ではなかったとみられることから、窃盗罪が適用される可能性が高いと指摘されている。

カズレーザーが指摘した被害額算定の難しさ

カズレーザーは番組内で「これって横領として警察に届けているけど、被害額をどうやって算出するんだと思いますよね」とも指摘した。「本来ですと、ちいかわのグッズ自体のコストってそんなに値段が高いわけではない。人気だから凄い値上がりしているだけで」と、フリマサイトでの高額転売価格と、実際の景品原価との差に着目した見解を示している。

刑事事件における被害額の算定は、盗まれた物の市場価格や原価など、複数の考え方があり得るため、今回のようなケースでどう算定されるかは今後の捜査の進展次第といえる。

アルバイトの待遇と不正行為の関係

カズレーザーが時給水準に言及したように、今回の問題を従業員の待遇と結びつける見方も一部で出ている。ただし、時給の水準にかかわらず、店舗の景品を無断で持ち出し転売する行為は、明確な違法行為であることに変わりはない。

待遇への不満があったとしても、それが不正行為を正当化する理由にはならない点は、多くのコメントでも指摘されている通りだ。

「ビッくらポン!」というキャンペーンの仕組み

「ビッくらポン!」は、くら寿司が長年展開している、皿を一定枚数返却するとガチャガチャ形式で景品が当たる人気企画だ。子ども連れの来店客を中心に高い人気を誇り、話題のキャラクターとのコラボは集客の目玉として位置づけられてきた。

今回のような不正行為は、企画の信頼性そのものを揺るがしかねないため、くら寿司にとっても再発防止策の構築が急務となる。

過去にも起きた似たような事例

限定景品やコラボグッズを巡る不正転売や横流しは、くら寿司に限らず、他の外食チェーンや小売業界でもたびたび問題視されてきた。人気キャラクターとのコラボは、景品の入手困難さがそのまま話題性や集客力につながる一方、その希少性ゆえに、不正な手段で入手しようとする動機を生みやすい側面がある。

企業側にとっては、こうしたリスクを踏まえた在庫管理や、開封・補充作業のダブルチェック体制の構築が、今後ますます重要になってくるとみられる。

消費者側への影響

今回の騒動では、正規のルールに従ってプレーしていた一般客が、不正によって景品を得る機会を奪われていた可能性がある。景品が当たらなかった客が、実は不正の被害者だったという構図は、企業への信頼を大きく損ないかねない問題だ。

くら寿司が実施する10%割引という対応が、こうした顧客の不満をどこまで解消できるかは未知数だが、今後の透明性のある説明と再発防止策の提示が、信頼回復のカギを握るとみられる。

今後の焦点

警察への相談が進められている中、今後の捜査でどこまでの事実関係が明らかになるかが焦点となる。関与した従業員の人数や、対象となった店舗の詳細についても、現時点では公表されていない。

人気キャラクターとのコラボ企画は、外食チェーン各社にとって重要な集客戦略の一つだけに、今回の一件を教訓に、景品管理体制の見直しが業界全体に広がる可能性もありそうだ。

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