富山空港「高山すし」愛称はなぜ?経緯と観光客の声

富山空港「高山すし」愛称はなぜ?経緯と観光客の声 社会

富山空港の愛称が8日から「富山高山すし空港」に変わった。世界的に知名度の高い「すし」と、外国人観光客に人気の観光地「高山」を組み合わせたこの名称に、実際に富山を訪れた外国人観光客からは賛否両論の声が上がっている。

なぜ「高山」が入ったのか

高山は岐阜県の観光地で、富山県とは県境をまたいだ別の県にある。にもかかわらず愛称に組み込まれた背景には、富山空港を飛騨高山方面への「空の玄関口」としてPRし、県境を越えた周遊観光を促す狙いがあるとされる。

なぜ「すし」が入ったのか

「すし」は世界中で通じる日本語の一つで、外国人旅行者にとって直感的にイメージしやすい言葉だ。富山県は「寿司といえば富山」というブランディングを強化したい意向もあるとみられ、この2つのキーワードを組み合わせることで海外での認知度向上を狙っている。

背景にある空港の危機的な経営状況

今回の異例の愛称変更の裏には、富山空港が抱える深刻な利用者減少の問題がある。前年度の利用者数は37万9306人で、現在の空港名が採用された2012年度の94万4559人と比べておよそ6割減少しているという。

ピークだった2004年度からは実に7割減少しており、2015年の北陸新幹線開業や燃料費・物価の高騰も逆風となってきた。新田八朗知事は「このままでは空港の維持が難しくなる」と強い危機感を示している。

今年4月には県が所有権を保持したまま運営を民間に委ねる「コンセッション方式」を導入しており、今回の愛称変更もこうした立て直し策の一環と位置づけられる。

外国人観光客の受け止めは賛否両論

実際に富山を訪れた外国人観光客への取材では、評価が真っ二つに割れている。台湾からの観光客は「いい名前だと思う。このあたりに来たらどこに行くか、何を食べるかが分かりやすい名前」と好意的に受け止め、あるアメリカ人観光客も「違和感はない。

富山を検索しやすくなると思う。私も寿司が好きだし」とウェブでの認知度向上に理解を示した。

一方で、別のアメリカ人観光客は「かなりバカバカしいね。日本には寿司なんていくらでもあるから、寿司にちなんだ空港が必要とは思えない。紛らわしい。なぜ普通に富山空港のままにしないの?」と手厳しい。

オランダからの観光客も「富山にある空港だから高山を入れるのは違う」と指摘しつつ、「色んな人に発信できるのはいい、すしを入れるのもいい」と複雑な心境をのぞかせた。

地元からも上がる疑問の声

批判は外国人観光客にとどまらない。地元メディアが8日にウェブで配信した記事には、読者から「高山に行くには不便だし空港近辺には寿司メインの飲食街もない。この名前に釣られてきた観光客から不平不満が出ると思う」という懸念や、「せめて公募にすればよかったのではないか。

富山なのに高山?県民の声は聞いたのか」という疑問が寄せられた。一方で「富山空港はこれくらい振り切ってインバウンドを取りに行くという決意表明なのだろう」と、覚悟の表れとして前向きに捉える声もある。

アクセス整備が成否を左右する

高山までの二次交通の整備が課題として指摘されており、名称だけが先行して実際のアクセスが伴わなければ、かえって観光客の不満を招く恐れがある。今後、富山県がどのような周遊ルートの整備や交通インフラの拡充を進めるのかが、愛称変更の成否を左右しそうだ。

また、来年度以降の利用者数の推移が、今回の思い切った施策の効果を測る指標として注目される。異例の愛称が国内外にどこまで浸透し、実際の集客につながるのか、しばらくは賛否両論を含めた話題性そのものが追い風になりそうだ。

元記事はこちら: 「かなりバカバカしい」の声も 富山空港の新愛称「富山高山すし空港」に外国人観光客は賛否両論(Yahoo!ニュース)

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