在留資格の手数料はいくらになる?2026年10月改定

在留資格の手数料はいくらになる?2026年10月改定 社会

ロシア出身の声優・ジェーニャさんが8月27日、在留資格の更新料値上げをめぐる投稿に大量のヘイトコメントが寄せられたことを明かし、Xで思いを打ち明けた。その投稿がきっかけとなり、在留資格の手数料がどう変わるのか、あらためて関心が集まっている。

この記事では、2026年10月から実施される手数料改定の内容を整理する。元記事はこちら

手数料はいくらになるのか

政府は8月25日の閣議で、在留手続きに関する手数料の改定額を定めた政令を決定した。改定後の手数料は、2026年10月1日以降に申請された手続きから適用される。

在留資格の変更・更新にかかる手数料は、現行の一律6000円から、許可される在留期間に応じた金額に変更され、最大7万5000円になる。永住許可の手数料も、現行の1万円から20万円へと引き上げられる。オンライン申請の場合は窓口申請よりやや低く設定され、1万円〜6万5000円になるとみられている。

なぜ今、大幅な値上げなのか

今回の手数料体系が定められたのは1981年で、実に45年ぶりの見直しとなる。この間、物価や行政コストは大きく変動してきたが、手数料自体は長らく据え置かれてきた経緯がある。

背景には、在留外国人数が過去最高の約413万人(令和7年末時点)に達しているという事情もある。審査件数の増加に伴う行政コストの上昇分を、手数料に反映させる狙いがあるとみられる。

改定までの経緯

今回の値上げの根拠となる入管法改正は、2026年5月にすでに国会で成立していた。その後、7月に具体的な金額を示す政令案が公表され、パブリックコメント(意見公募)が実施された。

意見公募を経ても値上げ幅は変更されないまま、当初の予定通りの施行が確定した形だ。手続き上は段階を踏んで進められてきた改定だが、実際の金額が具体的に示されたことで、対象となる在留外国人の間に動揺が広がっている。

ジェーニャさんが投稿で訴えた内容

ジェーニャさんは2005年から日本に住み、声優・歌手として活動するほか、ロシア語監修として複数の作品に携わってきた。8月26日の投稿では「日本人と同じように働いて保険年金税金を払って、日本語も覚えて何年も住んで家庭を築いて、いきなり明日から高額金を払え、まだ安い、嫌なら国に帰れって言われたら、外国人ってだけで人格を否定されて、ただただ悲しいです」とつづった。

日本人配偶者を持つジェーニャさんは「私の場合は、日本人配偶者なので、日本人の夫にも負担になります」とも指摘。声優やアニメーターなど、必ずしも高収入とは限らない職種で働く外国人にとって、今回の値上げ幅が大きな負担になるとの懸念を示した。

投稿への反響とヘイトコメント

ジェーニャさんの投稿には応援の声が寄せられた一方で、厳しい反応も相次いだ。翌27日の投稿では「コメントがうんざりなので、閉じました」「値上げニュースになったところで今までなかった大量なヘイトを感じました」と、反応の激しさに戸惑う様子をつづっている。

「私が更新料を払えない訳ではないし、何なら更新したばかりです」とも明かしており、自身の経済状況というより、制度としての急激な変更に対する疑問を提起する意図があったことがうかがえる。

在留外国人にとっての実務的な影響

今回の改定で特に負担が大きくなるのは、在留期間が長期にわたる更新を行う人や、永住許可を申請する人だ。永住許可は1万円から20万円へと20倍の引き上げとなり、これから永住を目指す外国人にとっては大きなハードルになる可能性がある。

企業にとっても、特定技能などの在留資格を持つ外国人労働者を雇用する場合、更新手続きのたびに発生するコストが増加することになり、採用計画や人件費の見通しに影響を与えることが予想される。

永住許可要件の厳格化と重なる動き

今回の手数料改定と同じ時期には、永住許可の要件そのものを厳格化する新たな指針案も出入国在留管理庁から示されている。年収が日本人世帯の平均を上回ることや、年金受給見込み額の基準を追加し、一定の日本語能力も求める内容で、パブリックコメントを経て来年4月に導入予定とされる。

外国人の人権問題に取り組む団体からは、この指針案についても「外国人の安全・安心を奪うものだ」として撤回を求める声が上がっている。手数料の引き上げと要件の厳格化という2つの動きが同時期に進んでいることで、在留外国人の間では制度全体が厳しくなっているという受け止めが広がっている。

他国の制度との比較

諸外国でも、在留許可や永住権に関する手数料は国によって大きな差がある。手数料の水準は、その国の行政運営のコスト構造や、移民政策全体の方針によって左右される要素が大きく、単純な国際比較は難しい面がある。

ただし、今回の日本の改定のように、短期間で数倍から数十倍という大幅な引き上げが行われるケースは比較的まれとされ、対象者への影響の大きさが議論を呼んでいる一因になっている。

今後の焦点

2026年10月1日の施行に向けて、対象となる外国人や雇用企業側の準備が本格化するとみられる。制度変更の周知が行き届くかどうかも、混乱を防ぐ上での重要なポイントになりそうだ。

今回のような手数料改定を巡る議論は、単なる金額の問題にとどまらず、日本社会における外国人の受け入れのあり方そのものを考えるきっかけにもなっている。今後、同様の制度見直しが他の手続きにも広がるかどうか、引き続き注目される。

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