エアコンつけっぱなしは得?東京が世界一長時間運転

エアコンつけっぱなしは得?東京が世界一長時間運転 社会

空調大手ダイキン工業が行った世界12都市のエアコン使用状況調査で、東京の1日当たりの平均使用時間が14時間12分に上り、調査対象の中で最長だったことが分かった。東京では、ほぼ終日エアコンを運転していると答えた人が約3割を占めている。

このニュースをきっかけに「エアコンはつけっぱなしとこまめに消す、どちらが得なのか」を調べる人が増えている。この記事では調査結果の詳細とあわせて、つけっぱなし運転を巡る疑問を整理する。元記事はこちら

調査結果の詳細

調査は5〜6月、エアコンを所有する20〜60歳代の計1200人を対象に、各都市でインターネットを通じて実施された。最も暑い時期の自宅での1日当たり平均使用時間は、東京が14時間12分でトップ。2位は米ヒューストンの14時間2分、続いてアラブ首長国連邦のドバイが12時間56分、中国の上海が11時間56分という結果だった。12都市の平均は10時間10分で、東京は平均より4時間以上長い計算になる。

「暑くなった」と感じる人の割合も高水準

5年前と比べて「暑くなった」と回答した割合は、東京が94.0%に上り、タイのバンコク(97.0%)に次いで2番目に高かった。12都市平均は86.5%で、東京はここでも平均を大きく上回っている。

実際のデータでも、東京の6〜8月の平均最高気温は2023〜25年の平均で31.9度となり、2018〜20年から2.3度上昇した。この上昇幅は、調査対象の12都市の中で最大だったという。ダイキンは「東京の夏の気温が上昇し、エアコンの長時間使用が一般化している」と分析している。

つけっぱなしとこまめに消す、電気代はどちらが得か

エアコンの電気代を巡っては、「つけっぱなしにした方が得」という説と「こまめに消した方が得」という説がしばしば議論になる。結論としては、外出時間の長さによって答えが変わるというのが実態に近い。

エアコンは起動直後、設定温度まで冷やすために1000W以上の電力を消費することが多いが、室温が安定した後は100〜200W程度まで消費電力が下がる。そのため、30分程度の短い外出であれば、こまめに消すよりもつけっぱなしにしておいた方が、再起動時の電力消費を避けられ、トータルの電気代を抑えられるケースが多いとされる。

猛暑日は「つけっぱなし」が有利になりやすい

気温が特に高い猛暑日には、この傾向がさらに強まる。室内外の温度差が大きいほど、いったん上がってしまった室温を再び下げるのに多くの電力を要するため、こまめに消して何度も再起動を繰り返すよりも、つけっぱなしで室温を一定に保つ方が、結果的に電気代を抑えられるという実測データも報告されている。

東京のように猛暑日が続く環境では、約3割の人が「ほぼ終日運転」を選んでいる背景に、こうした電力消費の特性を体感的に理解している面もあるとみられる。

つけっぱなし運転への不安、壊れる・火事のリスクは

つけっぱなし運転に対しては、「エアコン本体が壊れやすくなるのではないか」「火事のリスクが高まるのではないか」といった不安の声も根強い。一般的に、現在の家庭用エアコンは長時間の連続運転を想定して設計されており、正常な使用状況であれば、つけっぱなしにしたこと自体が直接の故障原因になることは考えにくいとされる。

ただし、フィルターにほこりがたまった状態で長時間運転を続けると、効率が落ちて余計な電力を消費したり、内部に負荷がかかったりする可能性がある。定期的なフィルター掃除は、つけっぱなし運転を安心して続けるうえでも重要なポイントといえる。

カビの発生を防ぐための工夫

つけっぱなし運転で気をつけたいもう一つのポイントが、内部のカビだ。冷房運転では熱交換器が結露しやすく、湿った状態が続くとカビが繁殖しやすい環境になる。

対策としては、エアコンを切る前に送風運転にしばらく切り替え、内部を乾燥させることが有効とされる。多くの機種には内部クリーン機能が搭載されており、これを活用することでカビの発生を抑えやすくなる。

設定温度と風量の工夫で節約する方法

つけっぱなし運転を続ける場合でも、設定温度を上げすぎず、極端に下げすぎないことが、電気代を抑えるうえでのポイントになる。環境省は冷房時の室温の目安を28度としているが、体感温度は湿度や風の当たり方によっても変わるため、扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させる工夫も有効とされる。

また、自動運転モードは、設定温度に到達するまでは強い風量で一気に冷やし、その後は消費電力を抑えた運転に自動で切り替わる仕組みになっていることが多く、手動で風量を調整するよりも効率的な場合がある。

他の都市との使用時間の差から見えること

今回の調査で2位となったヒューストンは、東京とわずか10分差の14時間2分だった。アメリカ南部に位置し、高温多湿な気候で知られるヒューストンと東京が上位を占めた形だが、両都市とも、都市部特有のヒートアイランド現象の影響を受けやすい点も共通している。

一方、12都市平均は10時間10分にとどまっており、東京はこれを大きく上回る水準だ。単純な気温の高さだけでなく、住宅の気密性や断熱性、湿度の高さといった要因も、エアコンの使用時間の長さに影響している可能性がある。

電気代の負担感と家計への影響

使用時間が長くなれば、当然ながら電気代の負担も増すことになる。特に日中不在の家庭でも夜間つけっぱなしにするケースが増えていることを踏まえると、年間を通じた冷房費の上昇は、多くの家庭にとって無視できない支出になりつつある。

電力会社によっては、時間帯によって電気料金が変動するプランを提供しているケースもあり、生活スタイルに合わせて契約プランを見直すことも、負担を抑える一つの選択肢になりそうだ。

今後の猛暑シーズンに向けて

気象データが示すように、東京の夏の気温は年々上昇傾向にあり、エアコンの長時間使用は今後さらに一般的になっていくとみられる。電気代の負担が増す一方で、熱中症のリスクを考えれば、無理に使用を控えることが得策とは言えない。

正しい使い方や定期的なメンテナンスを心がけながら、上手にエアコンと付き合っていく工夫が、これからの夏を乗り切るうえで一段と重要になりそうだ。

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