個人情報の晒しは違法?ドラレコ拡散動画から考える

個人情報の晒しは違法?ドラレコ拡散動画から考える 社会

ノーヘルで追突、逃走したとみられるバイクの映像が拡散

ヘルメットを首にかけたまま前方を見ずに走行するバイクが、乗用車に追突する瞬間をとらえたドライブレコーダー映像がXやYouTubeに投稿され、大きな注目を集めている。

投稿者は「前方不注意で追突し逃走中」と説明しており、運転者はモザイクなしで映り、追突後にそのまま走り去るような様子も映っていた。この映像をきっかけに、運転者を「特定した」として氏名や出身校などの個人情報をネット上で拡散する動きも広がっている。

運転者側にはどんな法的責任が生じるのか

弁護士の解説によれば、まずヘルメット未着用は道路交通法違反にあたり、違反点数1点の行政処分の対象になるという。追突については車間距離保持義務違反や安全運転義務違反が問われ、安全運転義務違反には3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められている。

相手が負傷していれば、より重い過失運転致傷罪に問われる可能性もある。さらに、事故後に現場を立ち去った場合は、道路交通法上の措置義務・報告義務違反にもあたるとされる。

一方で、個人情報を特定して晒す行為は許されるのか

運転者の行為に問題があるとしても、それを理由に個人を特定し、氏名や経歴などの個人情報をインターネット上で公開する行為は、また別の法的リスクをはらんでいるとされる。事実であっても名誉毀損が成立し得ることは、名誉毀損罪をめぐる一般的な解説でもたびたび指摘される点だ。

加えて、特定の情報が誤っていた場合には、無関係の人物が被害を受ける「誤特定」のリスクも避けられない。

なぜ「私的制裁」は法的に正当化されないのか

相手に非があるように見える場合でも、罰を与える権限はあくまで司法に委ねられており、私人が独自の判断で制裁を加える行為は法的に認められていない。こうした行為は「私的制裁」や「私刑」と呼ばれ、行き過ぎればかえって加害行為とみなされる可能性がある。

本来であれば、警察への通報や被害届の提出など、正規の手続きを通じて責任を追及することが求められる。

拡散する前に立ち止まって考えたいこと

SNS時代には、こうした映像や情報が瞬時に拡散し、当事者以外の人まで巻き込んでしまうことも少なくない。義憤にかられて拡散に加担することが、思わぬ形で自分自身の法的リスクにつながる可能性もある。

映像そのものは事実関係を示す重要な証拠になり得るが、それをどう扱うかについては、冷静な判断が求められそうだ。

元記事はこちら:ノーヘルで追突、逃走か…ドラレコ映像拡散、運転者の「特定」や個人情報の晒しは許されるのか?(Yahoo!ニュース)

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