中道改革連合の野田佳彦元総理大臣は7月13日、自らのホームページにコメントを掲載した。
皇室典範改正案を巡り、党として求めていた付帯決議案の修正に与党が応じなかったことについて、見解を示している。
「極めて残念な結果」
野田氏は「極めて残念な結果になった」としたうえで、「いつの日か同志を増やし、本格的な典範改正の議員立法を提出したい」との考えを示した。
改正案は10日の衆院本会議で、与党に加え中道などの賛成多数で可決され、参院に送られている。
求めていた付帯決議の中身
野田氏が問題視していたのは、「立法府の総意」では触れられていなかった規定だ。
養子に男児が生まれた場合に皇位継承権を与えるという規定が、事前の合意事項になかったにもかかわらず盛り込まれていたと指摘している。「政府が一定の予断をもって決めるべきではない」との認識を示した。
修正を求めたが応じられず
野田氏は本来、法案の修正を求めるべきだったとしながらも、「数の力でねじ伏せられるのは明らか」だったと説明する。
そのため、政府に対して「養子男児の継承権の是非に関して速やかに検討」することを促す付帯決議を付けようとしたが、これも自民党に応じてもらえなかったという。
付帯決議とは、法案本体には盛り込まれないものの、その運用に当たっての留意事項や今後の検討課題を国会の意思として示す文書だ。法的拘束力はないが、政府の姿勢を縛る一定の意味を持つとされる。
「多勢に無勢」への懸念
野田氏はホームページで「皇室典範の改正は政党間の幅広い合意が必要だ」と強調している。
そのうえで「国論を二分するような政策もとっとと決めていこうという政権が誕生し、多勢に無勢の下で何でも押し切られる可能性が高まった」と、政権運営全般への懸念も示した。
今後の展望
野田氏は「賛否については党の決定に従った」としつつ、将来的な議員立法の提出に意欲を示している。
今回の一件は、党内の意思決定と個人の見解が必ずしも一致しない場合があることを示す事例でもある。今後、中道改革連合内でこうした声がどう集約されていくのかにも関心が集まる。
野田氏は民主党政権時代に総理を務めた経験を持つベテラン政治家であり、その発言には一定の重みがある。参院での審議に、こうした声がどこまで反映されるのかも注視したい。
党内の賛成方針に従いながらも個人としての異論を明確に発信するというスタイルは、今後の中道改革連合の意思決定のあり方にも一石を投じることになりそうだ。
実際に議員立法という形で改正案が提出されるまでには時間がかかるとみられるが、野田氏がどのような形で「同志」を集めていくのか、今後の政界再編との関わりも含めて注目される。
中道改革連合は公明系と立民系が合流してできた政党だけに、こうした皇室典範を巡る立場の違いが、今後の党運営そのものに影響を及ぼす可能性も否定できない。野田氏の発言が党内でどう受け止められているのかも、あわせて注目したい。
元総理という立場からの発信は、単なる一議員の意見以上の重みを持って受け止められる傾向がある。今回のコメントが世論や他党の議員にどう波及していくのかも見守りたいところだ。同様の懸念を持つ他党の議員が声を上げ始めれば、参院での審議の流れが変わる可能性も残されている。皇室制度という長期的な視点が求められるテーマだけに、拙速な結論を避けようとする声が、今後どこまで広がるかが焦点になりそうだ。
野田氏の「リベンジ」宣言が、実際にどのような形で結実していくのか、今後の政治的な動きにも注目していきたい。


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