永久欠番とは?西武で「24」着用にSNS賛否

永久欠番とは?西武で「24」着用にSNS賛否 スポーツ

8月18日に東京ドームで行われたプロ野球・西武対オリックス戦の試合前、アイドルグループ「ME:I」がセレモニアルピッチを行った際、西武の永久欠番である背番号「24」を着用したことを巡り、SNSで賛否の声が寄せられている。球団は「多くの反応をいただいていることは把握している」とコメントした。

この一件をきっかけに「永久欠番とはどんな制度なのか」を調べる人が増えている。この記事では制度の内容とあわせて、今回の経緯を整理する。元記事はこちら

今回のイベントで何が起きたか

18日の試合前、メンバー全員が「24」の背番号入りユニホームを着用したガールズグループ「ME:I」が登場し、メンバーの一人であるTSUZUMIさんがセレモニアルピッチを務めた。

背番号「24」は、西武の前身・西鉄ライオンズでプレーした故・稲尾和久さんが着用し、球団の永久欠番となっている番号だ。このため、着用を巡ってファンの間で意見が分かれる事態となった。

永久欠番とはどんな制度か

永久欠番とは、球団に特別な功績を残した選手や関係者をたたえ、その背番号を以後の選手・監督・コーチに原則として割り当てないようにする、球団独自の制度だ。日本プロ野球で最初の永久欠番が制定されたのは1947年、読売ジャイアンツによるものとされる。

その人物の栄誉と歴史を末永く称える目的で導入される制度で、現在まで日本プロ野球界には18個の永久欠番が存在する。球団の歴史そのものを象徴する重みを持つ番号として扱われている。

稲尾和久さんとはどんな選手だったか

稲尾和久さんは、前身の西鉄ライオンズでプレーした伝説的な投手だ。1958年の日本シリーズでは5試合連続登板を果たし、「神様、仏様、稲尾様」という言葉が当時の流行語になるほどの活躍を見せた。

1961年にはシーズン42勝というプロ野球記録を樹立し、通算276勝を挙げるエースとして君臨した。1993年には野球殿堂入りを果たすなど、球界史に残る偉大な投手として今なお語り継がれている。

「24」が永久欠番になった経緯

西武は稲尾さんの功績をたたえ、2012年5月に球団初の永久欠番として背番号「24」を制定した。前身球団である西鉄時代のレジェンドの番号を、現球団が正式に永久欠番として引き継いだ形になる。

球団史をまたいだ永久欠番の制定は、稲尾さんの功績がいかに球団にとって特別なものであるかを物語っている。

なぜ賛否が分かれたのか

X(旧ツイッター)では「ファンの中でも永久欠番に対する考えはそれぞれある」「(背番号24の)ファンナンバー化は悪い話ではない」と理解を示す声がある一方、「永久欠番はさすがに大切にしてほしい」「選手であれ、タレントであれ、簡単につけていい番号ではない」と疑問視する声も寄せられた。

永久欠番はあくまで選手に対する制度という認識が強いファンにとって、イベント出演者が着用したことに違和感を覚える人が多かったとみられる。

球団側の説明

球団広報部は取材に対し、背番号24を着用した理由について「ご出演いただいたゲストさまより、ゲストさまにとってのラッキーナンバーである24番のユニホームを着用したいというご要望があったため」と説明している。

その上で「SNS上での多くの反応をいただいていることは把握しております。ファンの皆さまからいただいたご意見を受け止め、今後のイベント等に生かしてまいります」とコメントし、今後の運営に反映させる姿勢を示した。

「ME:I」とはどんなグループか

「ME:I(ミーアイ)」は、オーディション番組を通じて結成されたガールズグループで、幅広い世代から人気を集めている。今回セレモニアルピッチを務めたTSUZUMIさんをはじめ、メンバーそれぞれが個性的な活動を展開している。

プロ野球の始球式やセレモニアルピッチには、こうした人気アイドルグループやタレントが起用されることが多く、球団にとっては新規ファン層の開拓や話題づくりの重要な機会となっている。

セレモニアルピッチとは何か

セレモニアルピッチとは、試合開始前に著名人やゲストがマウンドから捕手に向けて投球を行う、いわゆる「始球式」の一形態だ。プロの投手のような本格的な投球ではなく、あくまでイベントとしての演出が中心となる。

多くの球団がこうした始球式を集客イベントの目玉として位置づけており、出演者の衣装や演出にもこだわりを持たせるケースが増えている。今回のユニホーム着用も、そうした演出の一環だったとみられる。

他球団の著名な永久欠番

永久欠番は西武に限った制度ではなく、多くの球団がそれぞれの歴史を象徴する番号を制定している。読売ジャイアンツの王貞治氏(1番)や長嶋茂雄氏(3番)、阪神タイガースの藤村富美男氏(10番)など、球界を代表するレジェンドたちの番号が、各球団で永久欠番として大切に扱われてきた。

こうした永久欠番は、単なる背番号以上に、球団のアイデンティティや歴史そのものを象徴する存在として、ファンの間で特別な意味を持ち続けている。

他球団の永久欠番の扱い

永久欠番の運用は球団によって温度差がある。多くの球団では、永久欠番をイベントなどで一般に貸与することは基本的に行わず、記念行事や特別な式典に限って扱うケースが一般的とされる。

一方で、ファンサービスの一環として、選手以外が特別な番号を身につける演出を行う球団も存在し、どこまでを許容範囲とするかは各球団の判断に委ねられている部分が大きい。

今後のイベント運営への影響

今回の一件は、永久欠番という球団の歴史的な財産をどう扱うか、ファンの意識と運営側の演出意図との間にギャップがあることを浮き彫りにした。

球団が「今後のイベント等に生かしてまいります」とコメントしていることから、今後は永久欠番を巡る演出について、より慎重な運用が検討される可能性がある。稲尾さんの功績を末永く後世に伝えるためにも、ファンとの丁寧な対話が今後も求められそうだ。

今回の一件は、球団側の「話題性を高めたい」という思惑と、ファン側の「レジェンドの番号は特別なもの」という思い入れが、正面からぶつかった出来事だったといえる。プロ野球の集客イベントが多様化する中で、こうした線引きは今後も繰り返し議論されるテーマになりそうだ。

稲尾さんの功績を知らない若い世代のファンにとっては、今回の騒動が逆に「24」という番号の重みを知るきっかけになった側面もある。結果的に、永久欠番という制度そのものへの関心を高める出来事になったとも言えそうだ。

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