深夜料金いつから広がった?壱番屋が9月導入へ

深夜料金いつから広がった?壱番屋が9月導入へ 社会

「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋は、午後10時から午前5時までの夜間の店内飲食とテイクアウトの注文に、7%の深夜料金を9月1日から導入すると発表した。原材料や人件費の高騰が、企業努力で吸収できる水準を超えているためという。

このニュースをきっかけに「深夜料金はいつから広がってきたのか」を調べる人が増えている。この記事では他チェーンの導入事例とあわせて、深夜料金が広がる背景を整理する。元記事はこちら

壱番屋の新料金の内容

今回の改定では、深夜時間帯の店内飲食とテイクアウトの注文に7%の深夜料金が上乗せされる。あわせて、既存のトッピング44種のうち12種についても、平均17%、税込みで11〜60円の値上げが行われる。いずれも9月1日からの実施で、価格改定に伴う業績予想の修正はないという。

壱番屋は導入の理由について、最近の為替状況や国際情勢による原材料・包装資材の高騰に加え、物流費や人件費の上昇も、コスト削減など企業努力で吸収できる水準を超えているためと説明している。

深夜料金はファミレスが先行していた

飲食店における深夜料金の導入自体は、決して新しい動きではない。従来、ファミリーレストランでは午後10時以降に来店して注文すると、会計時に深夜料金が加算されるのが一般的な慣習として定着してきた。

一方で、24時間営業の牛丼チェーンや立ち食いそば店などでは、長らく深夜料金を請求されることはなかった。こうした業態の違いが、「深夜料金があるチェーンとないチェーン」という利用者側の感覚の違いを生んできた背景にある。

牛丼チェーンにも広がる深夜料金

その状況に変化をもたらしたのが、牛丼チェーン大手・松屋フーズホールディングスの動きだ。松屋グループは、一都六県の松屋と松のや(マイカリー食堂を含む)で、午後10時から翌朝5時までの注文を対象に、各メニューに7%前後の深夜料金を導入している。

今回の壱番屋の深夜料金も7%という同水準の設定であり、外食業界全体で深夜帯の値付けを見直す動きが広がっていることがうかがえる。24時間・深夜営業を前提としてきた業態にまで深夜料金が波及している点は、これまでの慣習からの大きな転換といえる。

なぜ今、深夜料金の導入が相次ぐのか

深夜料金導入の背景には、深夜帯特有のコスト構造がある。深夜勤務の従業員には、労働基準法に基づき通常より高い割増賃金を支払う必要があり、人手不足が深刻化する中で、深夜シフトの人件費はさらに上昇傾向にある。

加えて、円安による輸入原材料の価格上昇や、物流コストの高騰も重なり、深夜帯の営業を通常の昼間と同じ価格で維持することが、多くの外食チェーンにとって難しくなってきている。深夜料金は、こうした深夜特有のコスト増加分を、利用者に一部負担してもらう形で吸収する仕組みといえる。

ダイナミックプライシングという新たな潮流

外食業界では、深夜料金にとどまらず、時間帯や混雑状況に応じて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」の実証実験も進んでいる。従来は一律だった飲食店の価格設定が、需要と供給のバランスに応じて柔軟に変わる仕組みへと移行しつつある。

深夜料金は、こうしたダイナミックプライシングの先駆け的な取り組みとも位置づけられる。今後、時間帯別の価格設定がさらに細分化されていく可能性も指摘されている。

利用者の受け止め方

深夜料金の導入に対しては、利用者から不満の声が上がることも少なくない。特に、これまで深夜料金がなかった牛丼チェーンなどが新たに導入する場合、「気軽に利用できる安さ」というイメージとのギャップから、抵抗感を持つ利用者もいるとされる。

一方で、深夜帯の人件費増加という構造的な要因を踏まえれば、値上げなしに深夜営業を維持すること自体が難しくなっているという指摘もあり、単純に「値上げは困る」という感情だけでは片付けられない事情がある。

トッピング値上げが示す原材料高の実態

今回の改定では、深夜料金と同時に、既存トッピング44種のうち12種が平均17%値上げされる点も見逃せない。トッピングは、カレーという主力商品の価格を据え置きながら、利用者が自由に選べる部分で単価を調整できる仕組みでもあり、原材料費の上昇分をどこに反映させるかという企業の工夫がうかがえる。

チーズやとんかつ、ソーセージなど、輸入原材料や畜産物を多く使うトッピングほど、コスト上昇の影響を受けやすいとされる。今回の値上げ幅にも、そうした品目ごとのコスト構造の違いが反映されている可能性がある。

深夜料金導入の告知方法

深夜料金を導入する飲食店の多くは、店頭の掲示やメニュー表への明記、レシートへの表示などを通じて、利用者に事前に周知する対応を取っている。突然の会計時の加算に驚く利用者が出ないよう、透明性のある告知が求められる分野でもある。

壱番屋についても、実施日の9月1日に向けて、店頭やアプリ、公式サイトなどを通じた告知が進められるとみられる。利用者としては、深夜に来店する前に最新の料金体系を確認しておくことが望ましい。

今後の外食業界の値付けの行方

今回の壱番屋の深夜料金導入は、松屋に続く形で、深夜帯の価格見直しがさらに幅広い業態に広がっていることを示す事例といえる。今後、他の牛丼チェーンやラーメンチェーンなど、24時間営業を前提としてきた業態にも、同様の動きが波及する可能性がある。

原材料費や人件費の高騰が続く限り、深夜料金やダイナミックプライシングといった時間帯別の価格戦略は、外食業界全体でさらに一般化していくとみられる。利用者としても、こうした価格体系の変化を前提に、外食のタイミングを選ぶ意識が求められる時代になりつつある。

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