FIFA会長、W杯事業の株式売却案を撤回
FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長が、世界中で物議を醸していたワールドカップ事業の株式売却案を撤回すると発表した。
FIFAは7月28日、ワールドカップやクラブワールドカップなどの大会運営を担う新子会社「FIFAフォワード・エンタープライズ」を設立し、その株式の最大21%を民間投資家に売却して42億ドル(約6880億円)を調達する構想を明らかにしていた。しかしUEFA(欧州サッカー連盟)が即座に反発し、計画が撤廃されなければ加盟協会がFIFA主催大会をボイコットすると表明。CONCACAFやAFCなど他の大陸連盟からも反対の声が上がったことを受け、31日に計画の中止が発表された。
計画に浮上した「クシュナー」という名前
今回の構想をめぐっては、世界的金融機関のJPモルガンがFIFAのアドバイザーを務めていたことに加え、ドナルド・トランプ米大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナー氏の弟にあたるジョシュア・クシュナー氏が設立した投資ファンドが、出資を検討する投資家グループを主導する見込みだったことも明らかになっていた。
スポーツ界の運営に著名な政治的人脈を持つ投資家が関わろうとしていたことも、今回の計画が物議を醸した一因とみられる。
インファンティーノ会長とは何者か
インファンティーノ会長は1970年生まれ、スイスとイタリアの二重国籍を持つ弁護士だ。2000年にUEFAに入り、法務やクラブライセンス業務などを担当。2009年にはUEFA事務総長に就任した。
2016年のFIFA会長選挙で当選し、その後2019年、2023年にも再選を重ねており、現在の任期は2027年までとされている。
会長としての年収、トランプ氏との関係
FIFA会長としての基本給は260万スイスフラン(約5億3000万円)とされ、クラブワールドカップの成功報酬などを含めると、報酬総額は600万スイスフラン程度に膨らむとみられている。
また、インファンティーノ氏は独自に創設したとされる「FIFA平和賞」をトランプ大統領に授与するなど、両者の親密ぶりが指摘されてきた人物でもある。政治的中立を重んじてきた従来のFIFAのあり方から逸脱しているとの懸念も一部で示されている。
反発を受けての方針転換、今後の火種は
今回は各連盟からの強い反発を受けて計画の撤回に至ったが、大会運営の資金需要そのものが解消されたわけではない。今後、形を変えた資金調達策が改めて浮上する可能性も残る。
インファンティーノ氏は声明で「数日から数週間のうちに関係者を再び結集させたい」と述べており、加盟協会との関係修復に向けた今後の対応が焦点になりそうだ。


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