千葉市バス廃止危機 背景の「2024年問題」とは

千葉市バス廃止危機 背景の「2024年問題」とは 社会

千葉市花見川区を走る「花島公園・長作町線」の廃止案が浮上している。

1日に1000人を超える利用があるにもかかわらず、代わりとなる公共交通機関がない地域だ。

廃止が検討される路線

この路線は千葉シーサイドバスが運行し、JR総武線幕張駅を発着点に団地や住宅街をカバーしている。

同社は3月、この路線を含む3路線について、10月1日付での廃止を関東運輸局に届け出た。花島公園~海浜幕張駅間だけで1日平均1028人が利用しており、鉄道駅まで歩いて行けない地域を走っているため、住民への影響が大きいという。

市の申し出を受け、同社は10月以降、運行時間を日中に限る大幅減便のうえで来年3月末まで運行を継続する意向を示している。

なぜ運転士が足りないのか

説明会で同社の営業所長は、廃止の理由として「運転士不足」と「交通事情」を挙げた。

運転士の平均年齢はすでに60歳を超え、最高齢は77歳だという。募集や待遇改善に取り組んできたものの、「育たない。人が来ない」のが実情だと明かしている。

「2024年問題」とは何か

運転士不足に拍車をかけているのが「2024年問題」だ。

これは2024年4月から、トラックやバスの運転士に対する時間外労働の上限規制が強化されたことを指す。長時間労働が是正される一方、労働時間が制限されることで、限られた人員でこれまでと同じ運行本数を維持することが難しくなる事業者が相次いでいる。

この路線特有の道路事情も影響している。一部区間で道幅が狭く、大型バスでのすれ違いが困難なため、多くの客を乗せられない中型バスで運行せざるを得ない。運転には高い技術が求められ、「心が折れてしまう人もいる」という。5人採用しても2人残れば御の字だと担当者は明かしている。

こうした狭隘な道路事情は全国の地方路線にも共通する課題であり、今回のケースは特殊な事例ではなく、日本各地で同じような構造的問題を抱えるバス路線が今後も増えていく可能性を示している。

住民の切実な声

説明会には約100人の住民が参加し、存続を求める声が相次いだ。

「バスがあるから引っ越してきた」「通院ができなくなる」「免許返納しなければならないのに困る」といった訴えが出ている。持病で車の運転ができないという参加者の女性は「本当にどうしようという感じ」と困惑を語った。

解決策を模索する市と事業者

千葉市役所では地域公共交通部会が開かれ、対応が協議されている。

専門委員からは「外部団体や第3セクターを設立して運転士を確保するあり方も考えなければならない」との意見も出ているという。10月以降の大幅減便を前提に廃止を延期し、来年3月末まで継続する方針が示されている中、この延期期間でどこまで解決策を見出せるかが焦点になる。

公共交通の維持は、自治体・事業者だけで解決できる問題ではなくなりつつある。地域住民を巻き込んだ新たな運営モデルの模索が、全国的な課題として広がっていきそうだ。

免許を返納した高齢者や、車を運転できない住民にとって、生活の足となるバス路線の存続は死活問題だ。国レベルでの財政支援や制度整備の必要性も、今後議論されていく可能性がある。

今回のケースが、全国のバス事業者や自治体にとって、路線維持のあり方を見直す一つの事例として注目されることになりそうだ。延期期間中に有効な解決策が見出せるかどうかが、地域の暮らしを守れるかの分かれ目になる。

運転士の待遇改善や新たな担い手の確保に向けて、行政・事業者・地域がどこまで連携できるかが問われている。

元記事はこちら: 1日1000人利用のバス廃止へ(Yahoo!ニュース)

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